魚には鱗があるものと、鱗がなく滑りだけのものがある理由は、主にその生態や生息環境に適応するためです。
魚類は非常に多様で、その形態や機能も種によって大きく異なります。ここでいくつかの理由を見てみましょう。
- 保護と防御:
- 鱗は魚を外敵から保護する役割を果たします。鱗が硬い種類の魚は、捕食者からの物理的な攻撃に対する抵抗力が高まります。
- 滑りだけの魚は、しばしば粘液を分泌して体を覆います。この粘液は、外部の寄生虫やバクテリアから魚を保護するだけでなく、水の中での滑りを良くして速度を上げるのにも役立ちます。
- 生息環境への適応:
- 例えば、岩場やサンゴ礁に生息する魚は、鋭い岩やサンゴに体を傷つけないように鱗で保護されていることが多いです。
- 逆に、砂地や泥地に生息する魚は、鱗が少ないか全くないことがあり、体を柔軟に保つことで狭い空間に潜ったり、砂泥の中で生活するのに適しています。
- 水中での動きやすさ:
- 鱗を持つ魚は、その形状や配列によって水の抵抗を減らし、効率的に泳ぐことができます。鱗の表面はしばしば滑らかで、水の中を滑るように移動するのに適しています。
- 滑りだけの魚もまた、体表の粘液を利用して水の抵抗を減らし、迅速かつ効率的に泳ぐことができます。
- 進化の結果:
- 鱗の有無や種類は、進化の過程で特定の環境に適応するために発展してきました。そのため、鱗や滑りの有無は、その魚が進化の過程でどのような環境に適応してきたかを示す指標とも言えます。
魚の多様性はその生態系内での役割の多様性を反映しており、鱗の有無や種類もその一部です。各種の特徴は、それぞれが生き残り、繁栄するための独自の戦略の結果です。
写真は鎧鯛の異名を持つエビスダイのもの。