↑ブリ
ブリは漢字で「鰤」と書きます。
「魚」と「師」を組み合わせた漢字で、「師」は「年を経て成長し、人間で言うところの先生」という意味を表します。これは、ブリが成長するにつれて呼び名が変わる出世魚であることから名付けられたと考えられています。
他にも、旧暦の師走に脂が乗り美味しくなることから、師走の「師」をあてたという説もあります。
ブリの特徴
ブリはスズキ目アジ科の魚で、成長段階によって呼び名が変わる出世魚として有名です。
体長
- 30cm未満:ワカシ
- 30~60cm:イナダ
- 60~80cm:ワラサ
- 80cm以上:ブリ
関西では
- 30cm未満:ツバス
- 30~60cm:ハマチ
- 60~80cm:メジロ
- 80cm以上:ブリ
生息域
- 琉球半島を除く日本各地、朝鮮半島、カムチャツカ半島周辺
- 沿岸からやや沖合の中底層
- 水深100m程度まで
回遊
- 春から夏にかけて北上
- 秋から冬にかけて南下
食性
- 肉食性
- 小魚、イカ、甲殻類などを食べる
その他
- 成長が早い
- 体型は紡錘形
- 背側は青緑色、腹側は銀白色
- 側線は明瞭
生態
ブリは群れで回遊し、活発な捕食者です。イワシ類、サンマ、アジ、サバなどの魚類や、イカ類などを捕食します。
産卵期は早春から夏で、東シナ海では2月から3月、九州西部や日本海南部では4月から7月、関東・東海では3月から6月です。
ブリは成長が早く、生後1年で体長15cmから20cm、2年で25cmから40cm、3年で50cmから55cm、5年で60cmから80cmに達します。
旬
ブリは冬が旬とされています。
栄養
ブリは良質なタンパク質や脂質、DHA、EPAなどを豊富に含んでいます。
料理
ブリは刺身、寿司、照り焼き、煮付け、塩焼きなど様々な料理に利用されます。
↑ヒラマサ
ヒラマサは漢字で「平政」と書きます。
「平」は体の形が平たいこと、「政」は立派な魚という意味を表しています。
他の呼び名としては、「平鰤」、「ヒラス」、「ヒラサ」、「ヒラソ」、「テンコツ」、「ヒラソウジ」などがあります。
ヒラマサの特徴
体色
- 背側は青緑色で、腹側は銀白色
- 体側には黄色い横帯が7~8本入る
- 背びれと尻びれは黄色で、黒い縁取りがある
- 胸びれは長く、鎌形
体格
- アジ科の魚類としては最大種
- 成魚は体長1m、体重20kgを超える個体も
- 体型は紡錘形
- 頭部は大きく、口は広い
生態
- 沿岸から外洋まで広く分布
- 回遊魚
- 肉食魚
- イワシ、アジ、サワラなどを捕食
- 遊泳速度は時速50km以上
- 釣り人の間では「海のスプリンター」と呼ばれている
産卵
- 産卵期は春から夏
- 水深50~100mの海域で産卵
- 卵は浮遊卵
その他
- 食用として人気
- 刺身、寿司、焼き魚など
ヒラマサとブリの違い
見た目
- 体型: ヒラマサはブリより平べったい体型
- 胸びれ: ヒラマサは胸びれの付け根が黄色い帯に近接、ブリは離れている
- 上あごの口角: ヒラマサは丸みを帯び、ブリは角ばっている
- 尾びれ: ヒラマサは細長い、ブリは幅広い
- 頭部: ヒラマサは頭部が小さく、ブリは頭部が大きい
その他
- 成長速度: ヒラマサはブリより成長が早い
- 遊泳速度: ヒラマサはブリより速い
- 味: ヒラマサはブリより脂肪が多く、濃厚な味わい
- 価格: ヒラマサはブリより希少価値が高く、高値で取引される
-
見分け方
- 胸びれの付け根と黄色い帯の位置
- 上あごの角
これらの違いを参考に、ぜひヒラマサとブリを見分けてみてください。
関西圏ではヒラマサは希少価値がありますが、九州地方では逆にブリより多いようです。
もちろん食用価値はヒラマサの方が断然上。
ヒットした時ブリは沖向きに走り、ヒラマサは根に入りるので、注意深く気を配ればすぐにわかるはず。