分断されていたので、そのエリアで水揚げから消費まで完結されていたのです。
つまり独自の市場が成立していました。
氷や車もない時代は、生魚の流通は限られており、地産地消が基本。
方言や食文化がこれに加えられ、その地域独特の独自性が生まれ、かつお節、なれ寿司やクサヤ、
塩鯖等の保存食も考えられてきました。
アイゴ(バリコ)のように、食べる食べないとはっきりとする地方もあります。
ハコフグを食べたことがある人は少ないと思いますが、五島列島ではみそ焼きで重宝されています。
人生で一度だけ食べることができました。
30年ほど前のことですが、半身で1,200円という価格に驚いたのを覚えています。
地方に行くと、必ず食品スーパーにより鮮魚売り場を見て回りますが、「こんな魚がこんな値段で」
「この魚はここでは〇〇と呼ばれているんだ」と、驚くことは実に多いのです。
一般的な相場とは明らかに違う、地場独自の価値観が魚にあるようです。
名前だけでなく価値観や料理方法も、地域により大きく変わることは珍しくありません。
漁港や市場をいまだに「はま」と呼ぶ地域も多いようです。
昔の名残を今に残している、貴重な生活の一部かもしれません。