「日本海の真鯛はデカいけど、正直あんまり旨くない」。
釣り人の間で、昔からよく聞く言葉です。
一方で、
「瀬戸内のマダイは別格」
「南紀の乗っ込み鯛は脂がすごい」
こんな声もあります。
同じ“マダイ”なのに、
なぜここまで評価が分かれるのか。
これは、気のせいでも、個人の好みでもありません。
ちゃんと、海の環境が味を決めています。
今回は、全国のマダイを地域別に比較しながら、
「なぜ味が違うのか」を、釣り人目線で本音解説していきます。
マダイの味を決める3大要素
まず結論から言います。
マダイの味は、ほぼこの3つで決まります。
・水温
・潮の流れ
・エサ環境
この3つの組み合わせで、
身の締まり
脂の量
旨味の濃さ
すべてが変わります。
日本海のマダイの特徴|「デカいが淡白」
特徴
・サイズが大きくなりやすい
・回遊距離が長い
・脂が少なめ
・身がやや水っぽい
味の傾向
正直に言うと、
「さっぱりしすぎ」
です。
刺身にすると、
歯ごたえはあるが
旨味が弱い
後味が薄い
こう感じる人が多い。
理由
理由ははっきりしています。
① 水温が低い期間が長い
② 回遊型で運動量が多すぎる
③ プランクトンが少なめ
つまり、
筋肉質すぎて脂が乗らない。
人間で言えば、
ずっと走り続けているマラソン選手。
健康的だけど、脂はない。
それと同じです。
瀬戸内海のマダイ|「日本一旨い説」
特徴
・サイズは中型中心
・潮流が超速い
・エサが豊富
・成長が安定
味の傾向
瀬戸内の鯛は、別格です。
身が締まって
脂が乗って
甘みがある
「鯛=瀬戸内」
と言われる理由が、ここにあります。
理由
最大の理由は、
激流+豊富なエサ。
速い潮で筋肉が鍛えられ
貝・甲殻類をたくさん食う
結果、
締まり+脂+旨味
全部そろう。
最高環境です。
太平洋側(関東〜東海)のマダイ|「バランス型」
特徴
・サイズも味も平均的
・回遊と定着が混在
・水温変化が大きい
味の傾向
クセが少ない。
刺身も焼きも煮付けも万能。
悪く言えば、
突出した個性はない。
理由
黒潮と親潮の影響で、
環境が安定しにくい。
その分、平均点タイプになります。
南紀・紀伊半島のマダイ|「知る人ぞ知る当たりエリア」
※釣太郎エリアです。
特徴
・黒潮直撃
・水温が高め
・エサが豊富
・磯場が多い
味の傾向
乗っ込み期の南紀鯛は、正直ヤバい。
脂
旨味
歯ごたえ
全部そろいます。
「関東の高級店に出ても通用するレベル」
です。
理由
黒潮=栄養の塊。
小魚・甲殻類・貝類が豊富。
さらに磯場が多く、
適度な運動量で太る。
理想環境です。
九州のマダイ|「個体差が激しい」
特徴
・海域が広すぎる
・潮も水温もバラバラ
・養殖も多い
味の傾向
当たり外れが激しい。
旨い個体は全国トップクラス。
ハズレは水っぽい。
理由
海域ごとの差が大きすぎる。
玄界灘
有明海
豊後水道
全部別物です。
北海道・東北のマダイ|「希少価値枠」
特徴
・数が少ない
・冷水域
・成長が遅い
味の傾向
身は締まるが、脂は少ない。
日本海型に近い。
理由
低水温で脂が付きにくい。
地域別マダイ比較表
| 地域 | サイズ | 脂 | 身質 | 総合評価 |
|---|---|---|---|---|
| 日本海 | ◎ | △ | △ | ★★☆☆☆ |
| 瀬戸内 | ○ | ◎ | ◎ | ★★★★★ |
| 太平洋 | ○ | ○ | ○ | ★★★☆☆ |
| 南紀 | ◎ | ◎ | ◎ | ★★★★★ |
| 九州 | ○ | △〜◎ | △〜◎ | ★★★☆☆ |
| 北海道東北 | △ | △ | ○ | ★★☆☆☆ |
「デカい=旨い」は完全に間違い
ここ、めちゃくちゃ重要です。
サイズ信仰は危険。
50cmでも不味い鯛はある。
40cmでも激ウマ鯛はある。
決めるのは、
「どこで育ったか」
これだけです。
釣り人が見るべき“旨い鯛の条件”
現場で使える基準です。
✔ 背中が厚い
✔ 腹が張っている
✔ 体色が濃い
✔ ヒレが傷んでいない
✔ 磯場周りで釣れた
これがそろえば、高確率で当たり。
要約(まとめ)
・マダイは地域で味が別物
・日本海は大型だが淡白
・瀬戸内と南紀は最強クラス
・味は水温とエサで決まる
・サイズより育ちが重要
同じ「真鯛」という名前でも、
中身は別の魚と言っていいレベル。
だからこそ、釣りは面白い。
「どこで、どう育ったか」
そこまで考え出すと、
釣りは一段深くなります。

