アジといえば、サクサクふわふわのアジフライ。
定食屋でも家庭でも大人気ですが、ふと疑問に思ったことはありませんか?
「なぜアジは、唐揚げや天ぷらではあまり食べられないのか?」
鶏肉なら唐揚げ、キスなら天ぷらが定番なのに、アジだけが「フライ」の座を独占している理由。
実はそこには、アジという魚の特性を最大限に活かすための、理にかなった秘密がありました。
1. 「水分」と「脂」を閉じ込めるパン粉の力
最大の違いは「衣」の役割にあります。
アジ(特に中型以上のサイズ)は、水分と脂を適度に含んだ魚です。
パン粉をつけて揚げる「フライ」は、厚い衣が壁となり、身の水分を外に逃がしません。
その結果、外はサクサク、中は蒸し焼き状態で「フワフワ」の食感が生まれます。
一方、天ぷらの衣は薄く、水分が蒸発しやすいため、アジのような水分が多い魚だと、べちゃっとしたり、身がパサつきやすくなります。
唐揚げ(素揚げや片栗粉)も同様で、身から水分が抜けすぎてしまい、アジ特有のふっくら感が損なわれやすいのです。
2. 青魚特有の「クセ」と衣の相性
アジは青魚であり、特有の香り(クセ)があります。
天ぷらは本来、キスやメゴチのような、淡白でクセのない白身魚の繊細な風味を楽しむ調理法です。
アジのような香りの強い魚を天ぷらにすると、衣の中に臭みがこもったり、天つゆとの相性が悪かったりします。
しかしフライの場合、パン粉の香ばしさと、ソースやタルタルソースといった味の強い調味料で
食べるため、青魚のクセが良い意味での「旨味」や「食べ応え」に変わります。
油との相性が良い青魚だからこそ、ガッツリとした衣のフライが最もバランスが良いのです。
3. 「ボリューム感」の演出
アジは平べったい魚です。
天ぷらや唐揚げにすると、どうしても見た目のボリュームが寂しくなってしまいます。
パン粉をまとわせることで、視覚的なボリュームが増し、「メインのおかず」としての満足感が出ます。
スーパーの惣菜コーナーや定食で見栄えが良いのも、フライが選ばれる大きな理由の一つです。
例外:唐揚げや天ぷらが美味しい場合もある
もちろん、絶対に唐揚げや天ぷらが合わないわけではありません。
「豆アジ(小アジ)」 の場合は、唐揚げが最適解になります。
骨がまだ柔らかいため、低温でじっくり素揚げや唐揚げにすることで、骨ごとバリバリ食べられる
スナック感覚の美味しさになります。
(南蛮漬けも、一度唐揚げにしてから漬け込みます。)
また、鮮度が抜群に良い釣りたてのアジであれば、臭みがないため、大葉や梅肉と一緒に
天ぷらにすると美味しくいただけます。
まとめ
アジがフライで食べられる理由。
それは、「身の水分を保ちフワフワにするため」、「青魚のクセを旨味に変えるため」、
そして**「ボリュームを出すため」**という3つの合理的な理由があるからです。
サイズによって、豆アジなら唐揚げ、良型ならフライと使い分けるのが、アジを一番美味しく
食べるコツと言えるでしょう。
今夜はぜひ、理にかなった美味しさである「アジフライ」を味わってみてはいかがでしょうか。

