連日、南紀の堤防や磯から30cmを超える「寒尺アジ」が上がっています。
脂が乗って最高に美味しい時期ですが、同時に心配なのがアニサキスです。
「釣ったアジの中から、危ない個体を見分ける方法はないのか?」
そんな疑問をお持ちの方へ。
残念ながら泳いでいる状態で見分けるのは不可能に近いですが、「捌く段階」でリスクが
高い個体を見抜くことは可能です。
今回は、特に注意してチェックすべき個体の特徴を解説します。
外見(皮・ウロコ)だけで判断するのは危険
まず残酷な真実をお伝えしなければなりません。
アジの外見(魚体)を見るだけで「この魚にはアニサキスがいる」と100%見分ける方法は存在しません。
どれだけ綺麗で太ったアジでも、入っている可能性はあります。
しかし、**「アニサキスが身(筋肉)に移動しているリスクが高い個体」**には、外見上の予兆があります。
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お腹が柔らかく、ダレている個体 鮮度が落ちて内臓が溶け始めているサインです。 内臓のバリア機能が弱まっているため、アニサキスが身の方へ脱走している確率が跳ね上がります。
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肛門が緩んでいる、または赤くなっている個体 消化器官に負担がかかっている、または鮮度劣化の証拠です。 内臓の状態が良くない可能性が高く、要注意です。
捌く時にココを見ろ!「内臓」こそが最大のヒント
アニサキスの有無を判断する最大のチャンスは、内臓を取り出す瞬間です。
ここで以下のサインが見られたら、その個体は「警戒レベルMAX」で扱ってください。
1. 肝臓や幽門垂(胃の出口)に白い糸がいる
内臓の表面にアニサキス(白い渦巻き状や糸状のもの)が多数付着している場合、その個体は「高密度汚染」されています。
内臓にたくさんいるということは、その一部がすでに身の方へ潜り込んでいる可能性も高くなります。
2. 内臓が溶けて崩れている
包丁を入れた時に内臓がデロッと溶け出すような個体は、釣ってからの温度管理に失敗しています。
アニサキスは宿主の死後、内臓の温度が上がると身に移動します。
内臓が崩れるほど放置された個体は、刺身にするのは避けるべきです。
リスクが高いのは「脂が乗った美味しい個体」という矛盾
皮肉なことに、痩せ細ったアジよりも、餌をたくさん食べて丸々と太った「メタボアジ」の方が、
アニサキスを取り込んでいる確率は高くなります。
なぜなら、アニサキスの運び屋であるオキアミや小魚を大量に捕食しているからです。
「太っていて美味しそう=リスクチェックも入念に」という意識を持つことが重要です。
最終確認は「光」で透かせ
「危険な個体かもしれない」と思ったら、刺身にする際に最後の確認を行ってください。
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LEDライトや太陽光で透かす 薄造りにした身を、強い光にかざしてください。 アニサキスがいれば、光を遮って黒い影(または白い糸)として浮かび上がります。 特に分厚い腹身の部分は、隠れ家になりやすいので念入りなチェックが必要です。
まとめ
「アニサキスが入っていやすい個体」とは、突き詰めれば**「よく餌を食べていて」かつ「冷やすのが遅れた個体」**です。
前者は釣り人の勲章ですが、後者は釣り人の責任で防げます。
釣った直後の「鬼締め(急速冷却)」さえ徹底すれば、美味しい個体を安全に食べることができます。
当店では、鮮度保持の必需品である「バラ氷」を豊富にご用意しております。
今の時期の寒尺アジは絶品です。 正しく見分けて、安全に旬の味覚を楽しみましょう。

