とても良い質問です。
実は「アオリイカの新子(秋イカ)」は、多くの釣り人・料理人の間で「一番美味しい時期」と言われています。
ただし、その理由には“科学的な根拠”と“味覚的な好み”の両方があります。
以下で、詳しく説明します。
🦑 アオリイカの「新子」とは?
「新子」とは、その年に孵化した若い個体のこと。
南紀では、5〜6月に孵化し、9〜11月頃に100〜300g前後に成長します。
この時期に釣れるのが「秋の新子アオリイカ」です。
🍽 新子の方が美味しいとされる理由
① 肉質が柔らかく、甘みが強い
新子の身はまだ繊維が細かく、筋肉構造が未発達のため、とても柔らかくとろけるような食感になります。
また、イカの旨味成分である アミノ酸(グリシン・アラニン)やイノシン酸 が多く含まれ、甘みを強く感じます。
特に刺身や寿司にした時、
・包丁でスッと切れる柔らかさ
・口に入れた瞬間のねっとりとした甘味
これが新子独特の“とろ甘感”です。
② 身が薄く、噛み切りやすい
大型になる春イカ(2〜3kg級)は、身が厚くて歯ごたえがしっかりしています。
一方、新子は身が薄く柔らかいので、包丁を入れなくても噛み切れるほど。
特にお子さんや高齢者に人気があります。
③ 鮮度変化に敏感で「活け締め後すぐ」が最上
新子は水分量が多く、冷蔵保存で旨味が抜けやすい反面、釣りたては極上の味です。
南紀の釣り人の間では「新子の活け造りは春イカより旨い」と評されるほど。
🧬 一方で大型(春イカ)が好まれる理由もある
| 比較項目 | 新子(秋) | 春イカ(大型) |
|---|---|---|
| 柔らかさ | ◎ とろける | △ やや硬め |
| 甘味 | ◎ 強い | ○ しっかり |
| 食感 | 柔らかく繊細 | 弾力があり歯ごたえ |
| 調理向き | 刺身・寿司・カルパッチョ | 天ぷら・焼き物・ステーキ風 |
| 味の濃さ | 繊細で上品 | 濃厚で旨味深い |
つまり、
・刺身・寿司なら「新子」
・火を通す料理なら「大型」
と覚えておくと失敗しません。
🌊 地域別に見た味の傾向(南紀の場合)
南紀(みなべ〜串本)では、黒潮の影響で水温が高く、成長が早い特徴があります。
そのため、秋の新子でも身がしっかりしており、柔らかさと弾力のバランスが絶妙。
釣り人の中でも、「秋イカが一番うまい」と感じる人が圧倒的に多いです。
🔪 食べ方おすすめ
| 調理法 | 新子向き | 理由 |
|---|---|---|
| 刺身 | ◎ | 甘味と食感を最大限に活かせる |
| 寿司 | ◎ | シャリとの相性抜群 |
| 炙り | ○ | 香ばしさが加わり旨味UP |
| 天ぷら | △ | 柔らかすぎて崩れやすい |
| イカ焼き | × | 水分が多く焼くと縮む |
💡 結論まとめ
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新子アオリイカは“柔らかさと甘味”で最も美味しい時期。
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一方で、大型アオリイカは“弾力と旨味の濃さ”で別の魅力がある。
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刺身・寿司は新子、火を通す料理は春イカ、と使い分けるのが理想。

