ウツボと聞くと、鋭い歯と強面の顔を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし実際に海中で見ると、その体表は黄色と黒のまだら模様で、とても印象的です。
この特徴的な色には、ちゃんとした「理由」と「役割」があります。
ただの見た目ではなく、自然界で生き延びるためのカモフラージュと警告のシグナルなのです。
ウツボの体色は、一見派手に見えますが、実は岩礁やサンゴの隙間に溶け込むための保護色。
海底の岩肌や海藻の影が入り混じる環境では、黄色と黒のまだら模様が輪郭をぼかし、
姿を隠すのに非常に効果的です。
一方で、この色は「毒を持っているかもしれない」と他の魚に警戒されやすい**警戒色
(アポセマティズム)**でもあります。
たとえば、毒を持つウミヘビやゴンズイなども、黄色と黒の配色をしていることが多いですよね。
自然界では「黄色+黒=危険」のサインとして知られているのです。
つまりウツボは、隠れるための保護色と威嚇のための警戒色を同時に備えた、
非常に理にかなったデザインを持っているわけです。
環境によって色が変化するウツボのカメレオン性
実は、ウツボの模様や色合いは個体差が大きく、
・岩礁域では暗めの茶褐色が強くなる
・サンゴ礁や明るい砂地周辺では黄色味が増す
といった傾向が見られます。
これは、環境に合わせてカモフラージュ性能を高める適応進化の一種。
捕食者から身を守ると同時に、待ち伏せ型のハンターであるウツボ自身も獲物に気づかれにくくしています。
「怖い魚」というイメージとのギャップ
釣り人の中でも、ウツボは「歯が鋭くて危ない」
「釣れても困る外道」として嫌われがちですが、
実際には海の掃除屋として死骸や病気の魚を処理し、海の生態系を守る存在でもあります。
また、地域によっては高級食材として扱われることもあり、
特に和歌山県・高知県・沖縄では「タレ焼き」「唐揚げ」「鍋」として親しまれています。
その独特な皮の弾力と脂の旨味は、一度食べると忘れられない味。
まとめ
ウツボの黄色と黒の模様は、ただの装飾ではありません。
岩礁に溶け込むカモフラージュ
敵を遠ざける警戒シグナル
この二つの役割を兼ね備えた、自然界の合理的なデザインなのです。
怖そうに見えて、実は繊細で頭の良い海の住人。
次にウツボを見かけたら、ぜひその模様の意味にも注目してみてください。


