タチウオの人気料理「背越し(セゴシ)」は、実は大型より小型が向いています。
その理由を、骨の構造・食感・調理のしやすさの3点から詳しく解説します。
最初に
銀色に輝くタチウオ(太刀魚)は、南紀でも人気の高級魚。
刺身や塩焼きも美味しいですが、釣り人の間では「背越し(セゴシ)」という食べ方も有名です。
しかし、すべてのタチウオが背越しに向くわけではありません。
実は「小型のタチウオ」こそ、セゴシに最適なのです。
背越し(セゴシ)とは?
背越しとは、魚の骨ごと薄く切って食べる日本の伝統的な調理法。
三枚おろしにせず、背骨を“越して”包丁を入れることから「背越し」と呼ばれます。
新鮮な魚でしかできない贅沢な料理で、タチウオの場合は骨の柔らかさが最大のポイントになります。
なぜ小型タチウオが向いているのか
① 骨が柔らかく、口当たりが良い
小型のタチウオは、まだ成長途中のため骨が細く柔らかいです。
背越しでは骨ごと切るため、硬い骨だと食感が悪くなり、舌に当たると違和感があります。
その点、30〜50cm程度の小型個体なら骨がサクッと噛み切れ、口当たりが滑らかです。
② 身が締まりすぎず、甘味が強い
大型になるほど身が厚くなり、筋繊維が太くなります。
刺身や炙りには良いですが、背越しにすると歯ごたえが強く、ややゴリッとした食感になります。
一方、小型は脂が適度で、身にほんのり甘味があり、骨とのバランスも良好です。
③ 包丁が入りやすく、切りやすい
背越しは、骨を断ち切る繊細な包丁さばきが必要です。
大型タチウオは背骨が硬く、薄くスライスするのが難しいため、家庭用の包丁では刃こぼれの原因にもなります。
小型なら包丁がスッと入り、均一な厚さに仕上げやすいです。
大型タチウオを背越しにするリスク
80cmを超える大型タチウオは、骨が太く硬いだけでなく、身が厚すぎて食べにくくなります。
薄く切っても骨の存在感が残り、背越し本来の“サクサク食感”が損なわれることが多いです。
また、骨が鋭いため、調理中に手を切る危険もあります。
大型は背越しではなく、刺身・炙り・塩焼き・ムニエルなど、骨を外す料理が向いています。
背越しに適したサイズの目安
・理想は「指3〜4本サイズ」(約40〜50cm)
・骨がまだ柔らかく、身がしっとりしている個体
・釣ったその日に調理できる鮮度が絶対条件
特に夜釣りで釣れる新鮮な中小型タチウオは、セゴシにぴったりです。
美味しく作るコツ
海水氷で冷やす
真水氷ではタチウオの皮が白く濁り、旨味が抜けてしまいます。
釣り上げたら「海水氷」で冷やし、持ち帰り後すぐに調理しましょう。
包丁はよく研ぐ
骨を切るため、刃が鈍いと崩れたり身が潰れたりします。
スッと通るように研ぎ、2〜3ミリ幅で均一に切るのがポイント。
薬味とポン酢で爽やかに
タチウオの脂はくどくないので、ショウガ・ネギ・大葉との相性抜群。
ポン酢を少しつけると、骨の存在感が和らぎます。
まとめ
タチウオの背越し(セゴシ)は、骨ごと味わう繊細な料理。
大型よりも、骨が柔らかく身の甘味が強い“小型個体”が断然おすすめです。
釣りたてのタチウオを海水氷で冷やし、その日のうちに調理すれば、料亭級の味わいに。
背越しを美味しく仕上げるコツは、「サイズ選び」と「鮮度管理」です。
要約
タチウオの背越しに向くのは、小型(40〜50cm)サイズ。
骨が柔らかく、包丁が入りやすく、口当たりもなめらか。
大型は骨が硬く食感が悪くなるため、刺身や焼き物に向いています。


