アジ(マアジなど)の産卵場所は、日本近海から外洋にかけて広範囲に分布していますが、主に以下のような特徴があります。
産卵海域
・沿岸から沖合の水深30~150m前後の砂泥底や砂礫底
マアジは沿岸性が強いものの、産卵期には外洋寄りの水深がやや深い海域(大陸棚縁辺部や沖合)に移動して産卵する傾向があります。
特に黒潮の影響を受ける九州西岸、四国沖、紀伊半島沖など、暖流域で水温が15〜20℃前後になる海域が好適条件とされます。
・産卵場の代表例(日本周辺)
紀伊半島沖
土佐湾沖(高知沖)
九州西方沖(五島列島周辺、東シナ海)
相模湾~房総沖(太平洋側)
山陰沖~若狭湾(日本海側)
これらはいずれも黒潮や対馬暖流に沿った海域で、栄養塩が多くプランクトンが発生しやすい環境です。
産卵期
・本州太平洋側:4月~7月(ピークは5~6月)
・日本海側:6月~8月
・九州周辺:3月~6月
暖かい海域ほど早く、寒い海域ほど遅く産卵が始まります。
産卵方法
・アジは**浮性卵(海中に漂う卵)**を産みます。
・親魚は群れで中層を回遊しながら、潮流に乗って卵をばらまくように放卵・放精します。
・卵は直径約1mmで、1匹のメスが一度に10万~20万粒以上を放卵します。
まとめ
アジは特定の岩礁や産卵床を作らず、黒潮や対馬暖流沿いの沖合~沿岸域で水温が15〜20℃の砂泥底海域を選んで浮性卵を放出します。
紀伊半島沖や九州西岸などは、日本の代表的な産卵場として知られ、ここから孵化した稚魚が初夏に沿岸へ接岸して成長していきます。


