朝晩の風が冷たくなり、秋の訪れを感じる季節でも、海に入ってみると意外と温かいと
感じたことはありませんか?
これは、陸上の気温が下がり始めても、海水の温度は平均で1〜2週間ほど遅れて下がるという
現象によるものです。
この記事では、なぜこのような時間差が生まれるのか、その科学的な理由を分かりやすく解説します。
理由その1:水の「比熱」が非常に大きいから
この現象の最大の理由は、水の比熱が非常に大きいことです。
比熱とは、物質の温度を1℃上げるために必要な熱量のことで、水は他の物質と比べて、
温まるまでに多くのエネルギーを必要とします。
- 温まりにくい: 夏の間、太陽の熱を大量に吸収しても、海水全体の温度はゆっくりとしか上がりません。
- 冷めにくい: そのため、気温が下がり始める秋になっても、夏に蓄えた熱をゆっくりと放出するため、海水の温度はなかなか下がりません。
この「温まりにくく、冷めにくい」という水の特性が、気温と海水温の時間差を生み出しているのです。
理由その2:海水の「熱容量」が圧倒的に大きいから
海は非常に広大で、水の量も膨大です。そのため、水が持つ熱容量も圧倒的に大きくなります。
- 熱容量: 物質全体の温度を1℃上げるために必要な熱量のことで、比熱に質量を掛けた値です。
- 膨大な熱エネルギー: 夏の間に、地球上の海は太陽から膨大な熱エネルギーを蓄えます。このため、秋になり気温が下がっても、海が持つ熱エネルギー全体が下がるにはかなりの時間を要します。
たとえるなら、小さなコップに入った水と、大きなプールに入った水では、
コップの水はすぐに温まり、冷めますが、プールの水は温まりにくく、冷めにくいですよね。
地球規模の海は、まさに巨大なプールなのです。
まとめ:秋の海は夏の「置き土産」
秋の海が温かく感じるのは、夏に蓄えられた膨大な熱エネルギーがゆっくりと放出されているためです。
この現象は、ダイビングやサーフィンを楽しむ人々にとってはよく知られた事実で、気温が下がり
始める秋でも、ウェットスーツなしで海に入れる場所もあります。
この知識を知ることで、秋の海の魅力をさらに深く感じられるはずです。
ぜひ、この秋は、科学的な視点から海を楽しんでみてはいかがでしょうか。


