マグロやカツオ、サバ、イワシといった回遊魚は、広大な海を泳ぎ続けながら生活しています。
「エサを求めて泳ぐ」とよく言われますが、実際には単純に匂いを辿っているわけではありません。
では回遊魚は、何を決め手に目的地を選び、広い海で獲物を見つけているのでしょうか?
本記事では、回遊魚の「目的地決定の仕組み」を科学的にわかりやすく解説します。
1. 嗅覚はどの程度役立っているのか?
回遊魚には嗅覚器官がありますが、マグロやカツオのような高速回遊魚では、嗅覚よりも視覚や環境要因の方が優位に働きます。
・イワシやアジなどの小型回遊魚は嗅覚にある程度頼る。
・しかしマグロやカツオは匂いを辿るよりも、目や群れの行動で効率的にエサを探す。
➡ 嗅覚は補助的役割であり、決定的なセンサーではありません。
2. 視覚と群れ行動
回遊魚は視覚が非常に発達しています。
・海中の光の反射やプランクトンの群れ、エサ魚の動きを敏感に察知。
・群れで行動することにより、一匹が獲物を発見すると群れ全体が追従する。
➡ 結果として「群れ全体が同じ目的地へ」動くことになるのです。
3. プランクトンが目的地を決める?
実は、回遊魚の行動の基盤には「プランクトン分布」があります。
・小魚(イワシ・アジ)は動物プランクトンを食べる。
・その小魚を追って、中型魚(サバ・カツオ)が集まる。
・さらにそれを追って、大型魚(マグロ・カジキ)が回遊する。
➡ つまり「プランクトンの多い海域=エサが豊富な目的地」となる。
4. 環境要因(黒潮・水温・酸素濃度)
回遊魚の目的地は単にエサの有無だけでなく、環境要因にも強く影響されます。
・黒潮や親潮などの海流:プランクトンが湧きやすい境界域に魚が集まる。
・水温:魚種ごとに好む温度帯があり、それに沿って移動。
・酸素濃度:酸素が豊富な中層や表層を選び、深場を避けることもある。
5. 科学的まとめ
・嗅覚=補助的役割。匂いを辿るよりも視覚や群れ行動が重要。
・目的地の鍵=「プランクトンの分布」。それを追う小魚・中型魚・大型魚の連鎖。
・環境要因(黒潮・水温・酸素濃度)も目的地を決める大きな要因。
まとめ
回遊魚は「匂いを追って泳いでいる」のではなく、プランクトン→小魚→中型魚→大型魚という
食物連鎖の構造をベースに、環境要因を組み合わせて移動しています。
そのため、釣り人が回遊魚を狙う際には「潮目」「ベイトの有無」「水温変化」を見極めることが重要になります。


