タコやアオリイカを捌いたことがある人なら、一度は見たことがある「カラストンビ」。
その形がまるでカラスのくちばしに似ていることから、この呼び名がつきました。
実はこのカラストンビ、タコとアオリイカで形状や役割に違いがあり、釣り人や料理人に
とって知っておくと役立つ知識です。
本記事では、タコとアオリイカのカラストンビの違いをわかりやすく解説します。
カラストンビとは?
カラストンビとは、タコやイカの口にある「硬いくちばし状の器官」のことです。
軟体動物である彼らには歯がなく、このカラストンビを使って獲物を噛み切り、食べやすくしています。
カラストンビは上下2枚で構成され、外見は黒褐色〜透明感のある色。
中心には「舌(ラジュラ)」と呼ばれるやすり状の器官があり、食べ物を細かくすり潰す役割も果たします。
タコのカラストンビの特徴
1. 形状
タコのカラストンビは厚みがあり、黒や濃い茶色で頑丈。
カラスのくちばしそのもののように鋭い形をしています。
2. 役割
タコはカニや貝類など殻を持つ硬い獲物を捕食するため、強力な噛む力が必要です。
そのためタコのカラストンビは「切断力・粉砕力」に優れています。
実際にミズダコなど大型のタコは、カニの甲羅をも簡単に砕いてしまいます。
3. 注意点
漁師や釣り人にとって、タコのカラストンビは非常に危険な部分。
釣り上げた直後でも噛まれるとケガをする可能性があり、取り扱いには注意が必要です。
アオリイカのカラストンビの特徴
1. 形状
アオリイカのカラストンビはタコより小さく、やや透明感があります。
色は茶褐色〜半透明で、全体的にタコより軽量でシャープな印象です。
2. 役割
アオリイカは主に小魚や甲殻類を捕食します。
そのためタコのような「殻を砕く力」よりも、獲物の身をかじり取る「切断力」が重要。
イカのカラストンビは魚の身をスパッと切ることに特化しています。
3. 食害痕
釣り上げたアジやイワシに、三日月型の傷が残っていることがあります。
これはアオリイカのカラストンビでかじられた痕跡。
釣り人にとって、アオリイカが近くにいるサインとも言える特徴です。
タコとアオリイカのカラストンビ比較
| 特徴 | タコ | アオリイカ |
|---|---|---|
| 色 | 黒〜濃い茶色 | 茶褐色〜半透明 |
| 形状 | 厚くて頑丈、鋭い | 軽量でシャープ |
| 役割 | カニや貝の殻を砕く | 小魚や甲殻類を切る |
| 危険性 | 人間も噛まれるとケガの恐れ | 噛まれることは少ない |
| 痕跡 | カニや貝を破壊 | 魚の身に三日月型の傷 |
カラストンビと食用の関係
タコやイカを調理する際、このカラストンビは食用には適しません。
硬く消化できないため、必ず取り除かれます。
一方で、料理人にとっては「カラストンビの状態」からその個体の鮮度を推測することもあります。
新鮮な個体ほどカラストンビに透明感があり、時間が経つと黒っぽく劣化する傾向があるのです。
まとめ
・カラストンビはタコやイカが獲物を食べるための硬いくちばし状の器官。
・タコのカラストンビは黒く厚みがあり、カニや貝を砕く力に特化。
・アオリイカのカラストンビは小さくシャープで、小魚を切る力に特化。
・釣り人にとっては「魚に残る痕跡」からイカの存在を察知する手がかりになる。
釣りや料理で触れる機会の多い「カラストンビ」。
その違いを知れば、海の生物の奥深さをさらに感じられるはずです。


