なぜ黒ばかりだった?フィッシングウェアの今昔物語。安く、カラフルになった理由を徹底解説!

「昔はみんな黒いウェアを着ていたよな」。

ベテランのアングラーなら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。

かつて、フィッシングウェアといえば「黒」。

そして、非常に高価な買い物でした。 しかし、釣具店に足を運ぶと、そこには色とりどりのウェアが

並び、価格も驚くほど手頃になっています。

いったい、この変化はなぜ起こったのでしょうか。

今回は、フィッシングウェアの色の変化と価格の背景にある、技術の進化と市場の変化について、

徹底的に解説していきます。

結論:技術革新と釣り文化の変化が大きな理由

先に結論からお伝えすると、フィッシングウェアが安く、カラフルになった理由は大きく分けて2つあります。

  1. 技術革新によるコストダウン: ウェアの心臓部である「透湿防水素材」の特許が切れ、安価で高性能な新素材が多数登場したこと。
  2. 釣り文化の変化と多様化: SNSの普及や女性・若者アングラーの増加により、「見せる」ファッション性や安全性が重視されるようになったこと。

それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。

時代は黒一色。なぜ昔のウェアは高価で黒ばかりだったのか?

90年代から2000年代初頭にかけて、本格的なフィッシングウェアといえば、

黒やチャコールグレーが主流でした。

これには、明確な理由があります。

理由1:絶対王者「ゴアテックス®」の存在と色の限界

当時の高機能フィッシングウェアの素材は、アメリカのゴア社が開発した「ゴアテックス®」が

ほぼ独占していました。

「水は通さず、水蒸気は通す」という画期的な透湿防水性能は、雨や波しぶきの中でも快適な

釣りを約束してくれる唯一無二の存在でした。

しかし、初期のゴアテックス®は、その性能を維持するために、生地の染色技術に大きな制約がありました。

特に、生地の性能を損なわずに鮮やかな色を出すことが非常に難しく、性能を最も安定して

発揮できる色が「黒」や濃い色だったのです。

また、プロフェッショナルなイメージや、汚れが目立ちにくいという実用的な側面も、黒が選ばれる理由の一つでした。

理由2:素材の独占と高価なライセンス料

ゴアテックス®はその圧倒的な性能から、素材の価格自体が非常に高価でした。

さらに、ウェアメーカーはゴア社に対して高額なライセンス料を支払い、厳しい品質基準を

クリアして初めて製品化が認められました。

そのため、ゴアテックス®を使用したウェアは、必然的にジャケットだけで5万円以上という

高価格帯にならざるを得なかったのです。

なぜ今は3分の1以下の価格で、こんなにカラフルになったのか?

黒一色だった時代から一転、現代のフィッシングウェア市場は、まさに百花繚乱。

その背景には、劇的な変化がありました。

理由1:ゴアテックス®の特許切れと新素材の台頭

最大の転換点は、ゴアテックス®の基本特許が切れたことです。

これにより、世界中の繊維メーカーが、ゴアテックス®と同様の機能を持つ、独自の透湿防水素材を

開発・販売できるようになりました。

  • シマノ:「デュラスト」「ドライシールド」
  • ダイワ:「レインマックス®」
  • 東レ:「ブリザテック®」

これらの新素材は、ゴアテックス®に匹敵する性能を持ちながらも、ライセンス料が

かからないため、劇的なコストダウンを実現しました。

また、染色技術も飛躍的に向上し、性能を維持したまま、赤、青、黄色といった鮮やかな

カラーバリエーションを展開できるようになったのです。

これにより、メーカー各社は、1万円台から購入できる高機能なウェアを市場に投入できるようになりました。

理由2:釣り人口の多様化とSNSの普及

かつて「おじさんの趣味」というイメージが強かった釣りですが、近年は「釣りガール」や

「釣りインフルエンサー」の登場、アウトドアブームの後押しもあり、若者や女性、

ファミリー層といった新しいアングラーが急増しました。

彼ら、彼女らにとって、ウェアは単なる機能服ではありません。

個性を表現するファッションアイテムであり、SNSで「映える」ための重要な要素です。

このニーズに応える形で、メーカーもデザイン性やカラーバリエーションを重視した製品開発を

進めるようになりました。

タウンユースもできるような、おしゃれなデザインのウェアが増えたのも、この影響が大きいでしょう。

理由3:安全性への意識の高まり

黒やグレーのウェアは、海や磯、薄暗いマズメ時に周囲に溶け込んでしまい、視認性が低いというデメリットがあります。

万が一の落水時や、他の船からの視認性を考えると、ライムグリーンやオレンジ、イエローと

いった膨張色・警告色の方が、はるかに安全です。

ライフジャケットのカラーが派手なのも同じ理由です。

安全性への意識の高まりも、ウェアのカラーが多様化した一因と言えます。

まとめ:自分らしい一着で、もっと釣りを楽しもう!

項目 昔(〜2000年代初頭) 今(2024年現在)
主流カラー 黒、チャコールグレー 赤、青、黄色など多種多様
中心価格帯 5万円〜10万円 1.5万円〜5万円
主要素材 ゴアテックス®の独占 各社独自の高機能素材が多数
主な購入層 ベテラン、コアアングラー 初心者、若者、女性、ファミリー層
重視された点 機能性、プロ志向 機能性、デザイン性、安全性、価格

昔の黒一色のフィッシングウェアが高価だったのは、素材の技術的な制約と市場の独占が大きな理由でした。

そして今、私たちが手頃な価格で色鮮やかなウェアを選べるようになったのは、

技術革新によるコストダウンと、釣りを楽しむ人々の多様化があったからです。

機能一辺倒だった時代から、機能・価格・デザインで自由に選べる時代へ。

昔の黒一色のフィッシングウェアが高価だったのは、素材の技術的な制約と市場の独占が大きな理由。釣太郎

タイトルとURLをコピーしました