ソウダガツオと呼ばれる魚には大きく分けて「ヒサソウダ」と「マルソウダ」の2種類があります。
見た目はよく似ているものの、食味や食べ方、安全性には大きな違いがあります。
釣り人の間でも「ヒサソウダは刺身で食べられるが、マルソウダは危険」と語られる一方で、
「マルソウダの方が旨い」という意見もあるのです。
本記事では、その違いやリスク、そして美味しく食べるための工夫について詳しく解説します。
1.ヒサソウダとマルソウダの基本的な違い
ヒサソウダ
・学名:Auxis rochei
・特徴:体に縦縞模様(カツオのような模様)がある。
・食味:鮮度落ちが早いが、適切に処理すれば刺身でも食べられる。
・市場価値:比較的高く、鮮魚としても扱われる。
マルソウダ
・学名:Auxis thazard
・特徴:体側に斑点模様が並ぶ。
・食味:鮮度が極めて落ちやすく、ヒスタミン中毒を起こしやすい。
・市場価値:一般流通は少ない。加工用や漁師料理で消費されることが多い。
2.なぜマルソウダは危険なのか?ヒスタミン中毒とは
マルソウダは非常に鮮度が落ちやすい魚です。
死後わずかな時間でヒスタミンが生成されやすく、これを摂取すると「ヒスタミン中毒」
と呼ばれる食中毒を引き起こします。
ヒスタミン中毒の症状
・顔の紅潮
・じんましん
・頭痛や吐き気
・呼吸困難(重症の場合)
一見アレルギー症状に似ていますが、実際には「ヒスタミン」という物質の過剰摂取が原因です。
しかも、ヒスタミンは「加熱しても分解されない」ため、調理でリスクを消すことはできません。
3.それでも「マルソウダの方が旨い」と言う人がいる理由
不思議なことに、一部の釣り人や地元漁師は「マルソウダの方が美味しい」と口を揃えます。
その理由は、以下のような点にあります。
・マルソウダは脂が濃厚で、旨味が強い。
・血合いが多く、力強い味わいが好まれる。
・鮮度が良ければ、独特のコクと甘味が感じられる。
つまり「鮮度が完璧に保たれている状態」で食べれば、マルソウダはヒサソウダ以上に美味しい
と感じる人もいるのです。
4.マルソウダを安全に楽しむための工夫
ただし、マルソウダを刺身で食べるのは非常にリスクが高いです。
そのため、以下のような食べ方が推奨されます。
・釣った直後に血抜きし、氷で即座に冷却する。
・刺身は避け、加熱料理や加工品に回す。
・味噌煮、つみれ、なめろうなど「火を通す料理」で消費。
・家庭では短時間で食べきり、保存はしない。
これらを守ることで、リスクを最小限にしながらマルソウダを楽しめます。
5.まとめ|ヒサソウダとマルソウダの選び方
・ヒサソウダ → 刺身OK。比較的安心して生食可能。
・マルソウダ → 鮮度が落ちやすく、ヒスタミン中毒のリスク大。刺身は非推奨。
ただし、マルソウダには「濃厚な旨味」という魅力もあり、一部の人が
「実はマルソウダの方が旨い」と評価しているのも事実です。


