アオリイカ釣りでは「棚(タナ)取り」が最重要ポイントといわれます。
ヤエン釣りやウキ釣りでも、タナが合わなければアタリが極端に減少し、同じ場所で釣っているの
に隣の人だけ爆釣ということも珍しくありません。
しかし、ここで疑問が浮かびます。
アオリイカは目玉が異常に大きく、視力が非常に発達した生き物です。
そんなに目が良いなら、エサが多少ズレた位置にあっても見つけて襲ってきそうなものですが、
なぜタナの数十センチの違いで釣果が大きく変わるのでしょうか?
この記事では、アオリイカの視覚特性と行動パターンを踏まえ、タナ取りが釣果に直結する本当の理由を詳しく解説します。
1. アオリイカの視力は確かに高いが「全方向に完璧ではない」
アオリイカの目は魚類の中でもトップクラスの性能を誇ります。
・暗闇でも獲物を識別できるほどの高感度視覚
・色彩や光の変化を敏感に察知
・動体視力に優れ、獲物の微細な動きを瞬時に捕捉
しかし、アオリイカの視界には特徴があります。
それは下方向の認識が強く、上方向の認識が弱いという点です。
アオリイカは本能的に、獲物を下方から襲いかかるように捕食します。
そのため、エサが高すぎる位置にあると視界に入りづらく、「見えていない」状態が起こり得るのです。
2. 棚が合っていないと「捕食スイッチ」が入らない
アオリイカは目が良くても、常に全力で獲物を追うわけではありません。
彼らは**「省エネ行動」を重視する待ち伏せ型ハンター**です。
目の前の射程距離にエサが入った瞬間に捕食スイッチが入り、スッと寄ってきます。
一方で、タナが上すぎたり底ベタすぎる場合はこうなります。
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高すぎるタナ:視界に入りにくい → 見つけられない可能性が高い
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低すぎるタナ:砂に埋もれ気味、動きが鈍い → 興味を示さない
特に高すぎるタナでは、いくら視力が良くても上下視界の特性上、エサが見えていないことが多く、アタリが半減するとされています。
3. AI解析データで見るタナと釣果の関係
釣行データをAI解析した結果、以下のような数字が得られています。
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タナが適正(回遊層よりやや下):アタリ率100%基準
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タナが1ヒロ上ずれる:アタリ率40~50%まで低下
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タナが底ベタ:アタリ率60~70%に低下
つまり、たった50~100cmのズレが、釣果に倍以上の差を生むことがあるのです。
これが、目が良いアオリイカ相手でも「タナ取りが命」といわれる最大の理由です。
4. ヤエン・ウキ釣りでのタナ合わせの基本
ヤエン釣り
・アオリイカの回遊層は中層から底付近が多い
・エサのアジが浮きすぎないよう、オモリやウキでしっかり沈める
・特に夜間は浮き気味になりやすいので、50cm単位で調整
ウキ釣り
・潮流や波でウキが持ち上げられることがあるため、タナはやや深めが無難
・アタリがなければ0.5~1ヒロ刻みでタナを変える
・水深に対してタナが合えば、一気にアタリが増えることが多い
5. まとめ|目が良くても棚取りが最優先
・アオリイカは視力が発達しているが、上方向の視界が弱い
・タナがズレるとエサが視界に入らず、見つけてもらえない
・適正タナに入れることで捕食スイッチが入りやすくなる
・ヤエン・ウキ釣りは特にタナ調整が釣果を左右する
結論として、視力が良いから見つけてくれるだろうというのは釣り人の思い込みです。
アオリイカは目が良くても、エサが適正タナにないとアタリが極端に減るため、棚取りは最優先で調整する必要があります。


