日本列島には、まるで階段のように見える不思議な地形があります。
それが「海岸段丘(かいがんだんきゅう)」と呼ばれる地形です。
この段々の地形は、ただの山ではありません。
そこには過去の海の高さや地殻変動の記録が刻まれており、まるで“地球の年輪”のような存在。
今回は、海岸段丘とは何か?どうやってできたのか?
そしてその地形から**海の歴史をどう読み解けるのか?**を、釣り人やアウトドア好きに向けて解説します。
■ 海岸段丘とは?簡単にいうと「昔の海岸線」
海岸段丘とは、かつて海だった場所が隆起し、波の侵食で削られた平らな面が、階段のように並んでいる地形のこと。
現在の海面よりも高い場所に、不自然に平らな地形が見えたら、それが昔の海岸線だった証拠です。
◎特徴:
・階段状に連なる平らな地形(段丘面)
・急な崖(段丘崖)とセットで存在
・複数の段があると、それだけ隆起や海面変動があった証拠
・磯や浜のすぐ上に広がることも多い
■ 海岸段丘はどうやってできたの?
海岸段丘の成り立ちは、主に以下の2つの自然現象によって説明できます。
① 【波の侵食】でできた平坦な面(波食棚)
まず、波の力によって海岸が長い時間かけて削られていきます。
このとき形成されるのが「波食棚(はしょくだな)」と呼ばれる平らな地形。
現在の磯も、こうした波食棚の名残です。
② 【地殻変動(隆起)】によって陸地へ
波食棚ができた後、地震やプレート運動によって地面が隆起します。
すると、もともと海面にあった波食棚が陸地の上に現れ、平らな段差となります。
この隆起と波の侵食が繰り返されることで、海岸段丘が階段状に積み重なっていくのです。
■ イラストで見る海岸段丘の構造
以下のような構造になります。
現在の海
↓(波が削る)
波食棚
↑(隆起)
第1段階の海岸段丘 ↑(さらに隆起)
第2段階の海岸段丘段の数が多いほど、過去に何度も海面変動や地殻隆起があったことを示しています。
■ 有名な海岸段丘の例
日本全国には、地形好き・釣り人に人気の海岸段丘スポットが数多くあります。
◎ 和歌山県 串本町:潮岬(しおのみさき)
・釣りの名所であり、海岸段丘の観察ポイントも豊富。
・磯の背後に、なだらかな段丘が重なっている。
◎ 宮崎県 日南海岸
・複数の段丘面が確認され、学術的にも貴重な場所。
・自然の展望台のような景観が人気。
◎ 青森県 龍飛崎(たっぴざき)
・津軽海峡を見渡せる断崖絶壁に段丘が重なる。
・釣り、観光、地形観察の三拍子がそろうスポット。
■ 海岸段丘から海の歴史を読み解く方法
① 段丘面の標高で「昔の海の高さ」がわかる
たとえば、標高30mの段丘面があれば、その場所は昔は海岸線だったということ。
それが今は30mも高い場所にあるのは、地面がそれだけ隆起したという証拠です。
② 段丘の数で「隆起回数」がわかる
段が1つなら1回、2つなら2回、というように、段丘の数は地殻変動の回数を表しています。
つまり、地球がどれだけ「動いたか」が読み取れるのです。
③ 植生や地層で「時代の古さ」も読み取れる
段丘面に古い地層や特定の植物が残っている場合、それによってその段丘がいつ形成されたかを推定することも可能です。
■ 釣り人が知って得する海岸段丘の豆知識
地形を読む力は、釣果アップにもつながります。
・高い段丘面は昔の磯だった可能性
→ 崩落で岩場が再形成されている場所は、魚の居付きポイントに
・段丘下の磯は潮通し良好で回遊魚の通り道
→ ヒラスズキ、青物、アオリイカなどの好ポイントになりやすい
・段丘崖付近は根魚の隠れ家
→ カサゴやイシダイのポイントとして注目
■ まとめ:海岸段丘は「地球の記憶」が刻まれた地形!
・海岸段丘は、波の力と地殻変動によってできた自然の階段
・一段一段に、昔の海岸線と地球の動きが記録されている
・釣りにも役立つ“地形の読み”は、知っておいて損なし!
「段丘なんて登山だけの話でしょ?」と思っていた釣り人も、これを読めば考えが変わるはずです。
地形を知れば、海の歴史がわかり、釣りにも役立つ。
それが、海岸段丘の面白さです!


