■ なぜクエは釣れないのか?
(高級魚・幻の魚と呼ばれる理由)
① もともとの個体数が非常に少ない
・クエ(モロコ)は成長に非常に長い年月がかかります。
・卵は大量に産むが、生き残る個体はごくわずか。
・成熟するまでに10年以上かかる個体も。
・繁殖力の弱さ・自然淘汰の厳しさがあり、もともと個体数が多くありません。
② 成長スピードが遅い
・稚魚→成魚になるまで非常にゆっくり。
・たとえばキジハタやマハタと比べても遅い。
・自然界では数cmの稚魚期に捕食されるリスクが高い。
③ 生息環境が限られている
・水深20m〜100m前後の岩礁帯、急深な磯周辺、沖の沈み根などが主な棲家。
・潮通しが良く、複雑な地形でないと住み着かない。
・沿岸のごく一部にしか生息していない。
・つまり、釣り人がアクセスできるポイントが非常に限られる。
④ 警戒心が非常に強い
・大型個体になるほど捕食経験が豊富で学習能力が高い。
・ルアーや仕掛けにもすぐスレる。
・エサ釣りでも違和感を感じると食い込まない。
⑤ 時合いが非常に短い
・基本的に夜行性で、日中は穴の奥に潜む。
・食い気が立つ時間帯がごく短時間。
・わずかな潮流の変化や月夜・濁り・気圧などにも強く影響される。
・狙っても「今日は食わない」日が多発。
⑥ 釣り自体の難易度が高い
・仕掛けは非常に太仕掛け(30〜50号)
・エサは活魚(アジ・ムロアジ・イサギなど)やイカなどが主流
・根に潜られやすく、ヒットしても取り込みが非常に困難。
・電動リール・大型竿・船・高価な道具が必要になる。
⑦ 市場価値の高さ(値段が高い理由)
・漁獲量が極めて少ない。
・高級旅館・料亭での需要が高い。
・天然クエ1kgあたり1万円超も珍しくない。
・10kg級なら数十万円。
・養殖物(特に長崎や高知など)も流通しているが、天然の希少価値は圧倒的。
⑧ 資源管理も難しい
・漁獲データが少なく、資源評価が困難。
・産卵場や回遊経路もまだ十分に解明されていない。
・繁殖期(夏)に大型個体がまとまって獲られると個体数回復に非常に悪影響。
⑨ 近年の変化
・高水温化で多少北上傾向がある。
・過去は紀伊半島〜九州が中心だったが、近畿中部以北でも少数例。
・だが依然として「幻の魚」の地位は変わらず。
⑩ まとめ
・そもそも生き残りが極めて難しい魚。
・釣り場も少なく、警戒心も強く、釣法のハードルも高い。
・だからこそ釣れた時の価値は非常に高い。

