シラス漁では、小型のイワシの稚魚(カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ) を
効率よく捕まえるために、特別な漁法 が使われています。
以下のような方法で漁獲されます。
1. どうやってあんなに小さな魚を捕まえるのか?
シラスは全長2〜5cm程度の小さな魚ですが、群れを作る習性があるため、専用の網で
一度に大量に捕獲 します。
2. シラス漁の主な漁法
シラス漁には 「船曳(ふなびき)網漁」と「小型定置網漁」 の2種類が主に使われます。
① 船曳網漁(しらす船引網漁)
日本で最も一般的な方法 で、特に 駿河湾(静岡県)、大阪湾、瀬戸内海 などで盛んに行われます。
特徴:
・2隻の漁船を使い、海中のシラスを囲い込む
・長さ数百メートルの細かい網(目合い1mm以下)を使用
・昼間に行われ、シラスの群れを探知して網を投入
流れ:
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シラスの群れを探す
- 船には魚群探知機が搭載されており、水深やシラスの密度を確認する。
- 海の色を見て目視で探すこともある(熟練の漁師の経験が活きる)。
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2隻の船で網を引く(曳網)
- 大きな袋状の網を広げ、シラスの群れを囲い込む。
- シラスは逃げようとするが、網の細かい目に阻まれ捕獲される。
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網を絞り込んでシラスを船に引き上げる
- 最後は「すくい網」で船に揚げ、水を切る。
- シラスは傷みやすいため、氷水で急速冷却する。
✅ ポイント
・シラスが生息する水深 10〜30m 付近に網を投入
・シラスは逃げ足が速いため、素早く囲い込む技術が重要
② 小型定置網漁
沿岸部のシラス漁 では、定置網(海に固定する網)を使うこともあります。
→ 波の静かな湾内や入り江で行われることが多い。
特徴:
・シラスが通るルートに固定網を設置する
・夜間、シラスの群れが網に誘導され、翌朝回収
✅ ポイント
・船曳網漁よりもシラスが傷みにくく、高品質なものが獲れる
・漁獲量は比較的少なめ
3. シラス漁における「目合い」の工夫
・シラス漁で使う網の 目合い(網目の大きさ)は0.8〜1.0mm程度。
・これより大きいとシラスが逃げてしまうし、小さすぎると水の抵抗が増えて扱いづらい。
・網は「ナイロン製」や「ポリエチレン製」で、柔軟性があり、水中でよく動く。
✅ 豆知識 ・漁獲後、シラスは「氷水」で冷却し、傷みを防ぐ。
・シラスは「水から出るとすぐに弱る」ため、迅速な処理が必要。
・天日干しすることで「しらす干し」、茹でて水分を残すと「釜揚げしらす」になる。
4. いつ・どこでシラス漁が行われるのか?
✅ 漁期
・地域によるが、春(3〜6月)と秋(9〜12月) が最盛期。
・水温が15〜20℃ の時期にシラスが活発に動くため、漁獲しやすい。
✅ 主な漁場 ・駿河湾(静岡県) → 全国でもトップクラスのシラス漁獲量
・大阪湾(兵庫・大阪) → 兵庫県はシラス漁が盛ん
・瀬戸内海(広島・岡山・愛媛) → 温暖な海域でシラスが豊富
・九州(福岡・宮崎) → シラスの水揚げ量が多い
5. シラス漁の課題
✅ ① 天候の影響が大きい
・シラス漁は 風が強い日や波が高い日にはできない。
・シラスは潮流の変化にも敏感で、天候次第で漁獲量が大きく変わる。
✅ ② シラスの資源管理が重要
・シラスは イワシの稚魚 なので、獲りすぎるとイワシの成長が減る。
・そのため、漁獲規制(禁漁期間やサイズ制限) で資源保護が行われている。
✅ ③ 漁獲後の鮮度管理が難しい
・シラスは「すぐに鮮度が落ちる」ため、漁獲後 短時間で冷却・加工する技術が必要。
・しらす干しや釜揚げしらすは、その日のうちに加工されることが多い。
6. まとめ
✅ シラス漁は「船曳網漁」や「定置網漁」で、小さな魚を一網打尽にする方法 で行われる。
✅ 網の目は0.8〜1.0mmと非常に細かく、群れを効率よく囲い込む。
✅ 日本では駿河湾や大阪湾、瀬戸内海で特に盛んに行われている。
✅ 資源保護のため、禁漁期間や漁獲制限がある。
✅ シラスは鮮度管理が難しく、すぐに加工(釜揚げしらす・しらす干し)される。
小さいながらも、大量に群れを作るシラスだからこそ、専用の網と漁法で効率的に捕獲できるんですね!


