私たちが普段「アジ」と呼んでいるのは、主にマアジのことですね。
しかし、生物学的な分類である「アジ科」という大きなくくりで見ると、そこには驚くほど多様なスター選手たちが名を連ねています。
1. 「ブリ属」の御三家:ブリ・カンパチ・ヒラマサ
実は、ルアーフィッシングや泳がせ釣りで憧れの的となる大型青物たちは、すべてアジ科ブリ属の魚です。
マアジのような「ゼイゴ」こそありませんが、二股に分かれた力強い尾鰭や、高速で泳ぐための流線型のボディは、アジ科共通の進化の証。
彼らはアジ科の中でも、特に大型化し、遊泳力を極めたエリート集団と言えます。
2. 南海の王者「吟遊詩人」:ロウニンアジ(GT)
釣り人の魂を揺さぶる「GT(ジャイアント・トレバリー)」ことロウニンアジ。
その名の通り、彼らもアジ科の一員です。 アジ科特有の硬いゼイゴを持ち、1メートル、50キロを超える巨体へと成長します。
マアジの機動力とブリのパワーを合体させたような、まさにアジ科の怪物です。
3. 高級魚の代名詞:シマアジ
アジ科の中でも「最も美味しい」と称されるシマアジ。
マアジに似た体型をしていますが、体側に輝く黄金のラインは王者の風格。
マアジ属ではなく「シマアジ属」として、独自の進化を遂げたアジ科のサラブレッドです。
なぜブリには「ゼイゴ」がないのか?
アジといえばゼイゴですが、ブリやカンパチにはそれがありません。
これは、彼らが「より大きな体」で「より速く」泳ぐために、重い鎧(ゼイゴ)を脱ぎ捨て、筋肉と滑らかな肌を発達させた結果だと考えられています。
一方で、マアジやロウニンアジはゼイゴを残すことで、外敵からの防御や急旋回時の安定性を保っています。
同じ家系でありながら、生きる戦略によって装備が異なる。 これこそが進化の面白さですね。
次にブリを釣り上げたときは、ぜひその顔つきや尾鰭を眺めてみてください。
「やっぱりアジの親戚だな」と納得するポイントが、きっと見つかるはずですよ。

