アジ釣りをしていると、「真アジは居着きが多くて年を食った大型がいる」
「丸アジは回遊魚で、成長が早い」そんな話をよく聞きます。
この話は、完全に間違いではありません。
ただし、全国どこでも一律にそうだと言い切るより、そういう傾向が強いと理解したほうが正確です。
実際、マアジは海域によって成長の遅い群れや高齢魚の多い群れが確認されており、一方でマルアジは回遊性が強い資源として扱われています。
マアジはなぜ大型化しやすいと言われるのか
マアジは最大報告年齢が12年、成熟サイズはおおむね18~20cm、最大長は50cmとされ、比較的長く生きることができる魚です。
この「長く生きられる」という点が、大型個体の存在につながります。
特に研究では、常磐南部~房総海域のマアジで「成長が遅く、高齢魚が多い傾向」が報告されており、低成長と高寿命が結びつく可能性も示されています。
釣り人の感覚で言えば、湾内や港内、内湾周りで長く居着いた個体が、年数をかけて太くなり、いわゆる“主”みたいな大型になることがあります。
ただし、これはすべてのマアジが完全な居着きという意味ではありません。
マアジ自体は広く回遊もする魚で、海域や群れによって性格がかなり違います。
なので、湾内居着き型が多い場所では大型化しやすいことがあるくらいの言い方がちょうどいいです。
マルアジはなぜ急成長のイメージがあるのか
マルアジは、和歌山県の資料では「紀伊水道外域沖合の深場で越冬し、春~秋に浅場・内海へ産卵・索餌のため回遊する」と整理されています。
つまり、かなりはっきりした回遊性を持つ資源として見られています。
年齢と成長については、和歌山県の資源評価資料で寿命は10歳とされ、1歳魚はおおむね23cm以下、2歳魚は22~26cm、3歳以上は24cm以上とされています。
また別の同資料では、7月に1歳魚と考えられる18~20cm主体の群れが漁獲されたとも書かれており、若いうちからサイズが出やすいことが分かります。
このあたりが、釣り人の間で「丸アジは短期間で一気に大きくなる」という印象につながっています。
では「マルアジは短命」は本当か
ここは少し注意が必要です。
一般には、マルアジは回遊性が強く、早く大きくなるイメージがあります。
ただ、和歌山県の公的資料では寿命10歳とされており、「はっきり短命」と言い切るには慎重さが必要です。
少なくとも、今回確認できた資料だけを見ると、マアジより極端に短命と断言するより、回遊性が強く、若い段階でサイズが出やすい魚と表現するほうが安全です。
釣り人向けにざっくり整理すると
マアジは、群れによっては湾内や沿岸にとどまりやすく、年数をかけて太った大型が出やすい。
一方でマルアジは、沖寄りも含めて広く動く回遊性が強く、若いうちから長さが出やすい。
この違いが、釣り場での印象の差になっています。
つまり、ユーザーさんの言葉をそのまま少し整えるなら、こうなります。
マアジは湾内居着き型の群れでは長く生きて大型化しやすい傾向がある。
マルアジは回遊性が強く、若いうちからサイズが伸びやすい。
これはかなり実感に近い言い方です。
ただし、寿命については海域差や資源差があるため、マルアジは必ず短命とまでは言い切らないほうが無難です。
要約
マアジは長寿傾向があり、最大報告年齢は12年です。
海域によっては成長が遅く、高齢魚が多い群れも確認されています。
そのため、湾内や沿岸に長くいる群れでは大型化しやすいと考えられます。
一方のマルアジは、和歌山県の資料で回遊性の強い資源として扱われ、1歳の段階でも18~23cm級が出てくるなど、若いうちからサイズが伸びやすい魚です。
釣り人向けには、「真アジは居着き型で年を取った大型が出やすい」
「丸アジは回遊型で成長が早い」この理解で大きくはズレません。
ただし寿命差については、単純化しすぎず“傾向”として押さえるのが正確です。

