南紀の防波堤でアジを狙っていると、よく似ているけれど少し違うアジが釣れることがあります。
それが今回ご紹介する「マルアジ」です。
スーパーの鮮魚コーナーでも見かけるこの魚ですが、王道の「マアジ」と何が違うのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は和歌山・南紀の豊かな海を知り尽くした目線で、マルアジの生態からマアジとの決定的な見分け方、そして美味しい食べ方までを詳しく解説します。
マルアジとはどんな魚なのか
マルアジはスズキ目アジ科ムロアジ属に分類される回遊魚です。
名前の通り、体を輪切りにした時の断面が丸みを帯びているのが最大の特徴です。
マアジがアジ属であるのに対し、マルアジはムロアジ属なので、実は前回の記事で紹介した赤むろ(オアカムロ)に近い仲間なのです。
南紀周辺でも季節を問わず回遊してきますが、特に夏から秋にかけてよく釣れる印象があります。
群れで行動し、サビキ釣りやアジングでもおなじみのターゲットとして釣り人を楽しませてくれます。
マアジとの決定的な違いと見分け方
釣り上げたり買ってきたアジが「マアジ」なのか「マルアジ」なのか、見分けるポイントは3つあります。
1つ目は全体の体型です。
マアジは平べったく体高があるのに対し、マルアジは細長くて丸っこい筒状の体型をしています。
2つ目は「ゼイゴ(稜鱗)」と呼ばれる体側にあるトゲトゲのウロコの位置です。
マアジはこのゼイゴがエラの後ろから尾びれまで全身に繋がっています。
一方のマルアジは、ゼイゴが体の後半部分(尾びれに近い直線部分)にしかありません。
そして3つ目、これが一番確実な見分け方です。
背びれと尻びれの後ろに注目してください。
マルアジにはヒレから独立した「小離鰭(しょうりき)」と呼ばれる小さなヒレが上下にピョコンと付いています。
マアジにはこの小さなヒレが絶対にないので、これを見れば一発で見分けることが可能です。
マルアジの食味とおすすめの料理法
一般的に、お刺身などの生食で重宝され、高級魚として扱われるのはマアジの方です。
マルアジはマアジに比べると少し水分量が多く、血合いも大きいため、鮮度落ちが早いという特徴があります。
しかし、決して美味しくない魚というわけではありません。
水分が多い分、火を通すとふっくらと仕上がるため、アジフライにするならマルアジの方が美味しいと言う料理人もいるほどです。
また、南蛮漬けにしたり、塩をして干物にすることで旨味がギュッと凝縮され、最高の味わいに変わります。
もちろん、水揚げされたばかりの鮮度抜群な状態であれば、お刺身やなめろうでも美味しくいただけます。
釣太郎周辺の豊かな海で獲れたマルアジなら、その日のうちに調理すれば驚くほどの美味しさを発揮します。
アジの違いを知って南紀の海の恵みを楽しもう
マアジとマルアジ、似て非なるこの二つの魚ですが、それぞれの個性を知ることで食卓がさらに豊かになります。
スーパーで見かけた時や、釣りで釣り上げた時には、ぜひ「小離鰭」や「ゼイゴ」をチェックして見分けてみてください。
それぞれの魚の長所を活かした料理法で、南紀の海の恵みを美味しく味わい尽くしましょう。

