興奮したりストレスを感じたりすると、体表の模様(斑点や縞模様)がくっきり浮き彫りになる現象がよく観察されます。
アオリイカも同様で、警戒・興奮時に黒い斑点や赤みが一瞬で現れたり、体全体が濃い色に変わったりします。
これ、ただの「見た目の変化」じゃなく、魚類・頭足類の高度な生存戦略なんです。
魚やイカの皮膚には**色素胞(クロマトフォア)**という特殊な細胞がびっしり詰まっています。
これが神経やホルモンでコントロールされて、色素顆粒(メラニンなど)を拡散・凝集させることで体色・模様を瞬時に変えるんです。
- 通常時(落ち着いている):色素顆粒が凝集(縮こまる) → 模様が薄く、ぼんやり
- 興奮・ストレス時:交感神経が興奮 → アドレナリン(ノルアドレナリン)分泌 → 色素胞が拡散 → 黒・茶・赤の色素が広がり、模様がくっきり浮き出る!
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生物
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主な色素胞の種類
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興奮時の典型変化
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主な理由(機能)
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坂派(クロダイ)
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黒色素胞(メラニン)・黄色素胞
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斑点・縞が濃く浮き出る、全体暗色化
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威嚇・仲間へのシグナル・擬態強化
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アオリイカ
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クロマトフォア(赤・黄・黒)+イリドフォア(光反射)
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黒斑点・赤み・縞模様が一瞬で出現
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カモフラージュ・威嚇・コミュニケーション
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他の魚(例:メジナ、ネオンテトラ)
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黒・黄・白・虹色素胞
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縞が濃くなる、暗色化
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ストレスサイン・危険信号
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→ 興奮=アドレナリン爆発 → 色素胞拡散 → コントラストUPで模様強調
これが「浮き彫りになる」正体です!
魚特有の理由クロダイは根魚寄りで、岩礁帯やテトラ周りを好むため、背景に溶け込む擬態が命。
普段は地味な灰黒色ですが、
- 縄張り争い時
- 大型エサに食らいつく瞬間
- 釣り上げられて暴れる時
に交感神経がフル稼働 → 黒い斑点や縞が強調され、「俺は強いぞ!」という威嚇色として機能すると考えられています。
和歌山の地磯でデカい坂派が掛かると「模様がバチッと出てる!」ってのは、まさに興奮の証拠。
ストレスで体色が暗くなる魚も多いですが、クロダイ系は「模様強調型」が強いんです。
アオリイカの色変化が特に派手な理由イカ類は魚以上に進化していて、クロマトフォアが数千~数万個、しかも0.1秒以内で開閉可能!
興奮時は
- 黒くなる → 威嚇・警戒
- 赤みが出る → 攻撃性・興奮(お尻部分に集中しやすい)
- 斑点・縞が出る → 擬態や仲間へのシグナル
アオリイカは常夜灯下やエギングで「パンダマーク(目玉模様)」が出るのも同じメカニズム。
活け締め直後や釣り上げ時に模様が浮き出るのは、神経が最後の興奮状態になるからですね。
釣り人として実践的に知っておきたいポイント
- 模様がくっきり出てる個体=活性が高い
興奮状態=食い気も強い可能性大。デカい坂派やアオリは狙い目! - 逆に模様が薄い・白っぽい=ストレスMAX
長時間バラシたり、弱っていたりするサイン。リリース時は早めに。 - 夜釣り・常夜灯下で変化が目立つ
明暗コントラストで模様がより強調されやすい。メッキやアジも似た反応あり。 - エサ取り(小魚)の模様変化もチェック
グレやメジナが興奮して斑点出したら、チヌの回遊サインかも。
まとめ:興奮時の模様浮き出しは「生存のための超高速カラーシフト」
魚もアオリイカも、色素胞+神経・ホルモンの連携で興奮を「視覚シグナル」に変換してるんです。
これが進化の結果、捕食回避・縄張り防衛・仲間コミュニケーションに役立ってるわけ。
地磯・堤防で「今日の魚は模様バッチリ出てるな!」と思ったら、それは魚が「今、めっちゃ生きてる!」証拠。

