「ボラが跳ねると魚が釣れない」
「いやいや、ボラがいるのは生命感がある証拠だ」
釣り人の間でも意見が真っ二つに分かれるこのテーマ。
結局どっちなんだ、とモヤモヤしたまま竿を振っている人も多いはずです。
今回は、この「ボラ論争」に終止符を打つべく、科学的な視点(酸素濃度や食物連鎖)から検証してみました。
結論から言うと、ボラは**「海の状態を教えてくれる優秀なセンサー」**です。
その理由と、釣れる時・釣れない時の見極め方を解説します。
検証1:酸素濃度と耐久性
まず、ボラという魚の最大の特徴は「強さ」です。
彼らは魚類の中でもトップクラスに環境変化に強い魚です。
特に**「低酸素」や「水質汚染」**に対する耐性が異常に高いことが分かっています。
これが「ボラがいると釣れない」説の正体の一つです。
どういうことか。
夏場の赤潮発生時や、水が淀んで酸素濃度が極端に下がった時、他の弱い魚(アジやイワシ、青物など)はそのエリアから逃げ出すか、最悪の場合は死滅してしまいます。
しかし、ボラだけは平気な顔をして泳いでいられるのです。
つまり、**「ボラしかいない(他の魚が見当たらない)」という状況は、科学的に見れば「ここには他の魚が住めないほど水が悪い」**というサインになります。
水面でボラが口をパクパクさせて苦しそうにしていたら、その日は「釣れない」と判断して場所移動するのが賢明です。
検証2:食物連鎖とプランクトン
では逆に、「釣れる」パターンの科学的根拠は何か。
それは**「食物連鎖」**です。
ボラは泥の中の有機物や、岩についた藻、そして水中を漂うプランクトンを食べます。
ボラが群れで元気に泳ぎ回っている場所は、それだけ**「エサ(プランクトンや有機物)が豊富である」**という証明になります。
プランクトンが豊富な場所には、それを食べる小魚(ベイト)が集まります。
そして、その小魚を狙って、スズキや青物、ヒラメなどのフィッシュイーターが集まってくる。
これが自然の摂理です。
実際に、和歌山の南紀エリアでも、ボラの群れの下にランカークラスのシーバスがついていることは珍しくありません。
また、ボラの稚魚(ハク・イナッコ)は、これ以上ない最高のご馳走です。
ボラが追われて逃げ惑っていたり、ナブラ(水面が沸き立つ現象)が起きている時は、間違いなくチャンスタイムです。
結論:ボラをどう活用するか
まとめると、ボラがいること自体は**「吉」にも「凶」**にもなり得ます。
重要なのは、彼らの**「様子」**を観察することです。
【釣れないボラ(Bad Sign)】
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水面で口をパクパクさせている(酸欠)。
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動きが鈍く、どんよりしている。
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水の色が極端に濁っていて、ボラ以外の魚影が皆無。
【釣れるボラ(Good Sign)】
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キビキビと泳ぎ回っている。
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時折、何かに追われるように逃げている。
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ボラの下や周りに、他の魚の気配がある。
釣太郎のあるみなべ白浜周辺でも、元気なボラがいる堤防は潮通しが良い証拠。
「なんだボラか…」とがっかりせず、「お、生命感があるな。下にはデカいのがいるかも?」とポジティブに捉えてみてください。
海の中の情報をいち早く教えてくれる彼らは、ある意味、釣り人の味方なのかもしれません。

