ボラや黒鯛(チヌ)は「臭い魚」というイメージを持たれがちですが、実はすべてが臭いわけではありません。
同じ魚でも
・全く臭わない個体
・強烈に臭う個体
この差は非常に大きく、釣り人の処理方法によって味は劇的に変わります。
この記事では
・ボラとチヌが臭くなる本当の理由
・臭くない個体との違い
・血抜き・海水氷・塩処理でどれだけ臭いが減るか
を科学的な視点と現場データで解説します。
ボラ・チヌが臭いと言われる本当の理由
① エサの違い(最大の原因)
ボラやチヌは「環境の影響を強く受ける魚」です。
特に内湾・港・河口では以下を食べています。
・底のヘドロ
・腐敗した有機物
・プランクトンの死骸
・生活排水由来の栄養物
・藻類
これらの臭い成分(ジオスミン・トリメチルアミンなど)が体内に蓄積します。
つまり
臭い=魚の問題ではなく環境の問題です。
逆に臭くない個体
・外洋に近い場所
・潮通しの良い磯
・きれいな海域
・回遊個体
これらはほぼ無臭です。
「ボラは美味い」という地域は外洋個体を食べています。
② 血液の酸化臭
魚の臭いの大半は血です。
血が残ると
・鉄臭
・生臭さ
・腐敗臭
が急速に増えます。
特にチヌは血が多く臭いが出やすい魚です。
③ 内臓の劣化スピード
ボラ・チヌは内臓の劣化が早い魚です。
理由
・雑食性
・腸が長い
・消化物が腐敗しやすい
釣った後すぐ臭いが出るのはこれが原因です。
④ 水分量の多さ
臭い魚の共通点は
「身の水分量が多い」
水分が多いほど腐敗菌が増えやすく臭いが強くなります。
臭くない個体との違い(釣り人が判断する方法)
現場で見分けるポイント。
臭くない魚の特徴
・背中が青く透明感がある
・体表のヌメリが少ない
・内臓の臭いが弱い
・脂のりがある
・潮通しの良い場所で釣れた
臭い魚の特徴
・泥臭い場所で釣れた
・体色がくすんでいる
・ヌメリが強い
・内臓臭が強烈
特に港奥のボラは要注意です。
臭いはどれくらい減る?処理別の効果
釣太郎の現場データと魚の腐敗研究からの目安です。
血抜き → 約40%臭い軽減
最も重要な処理。
効果
・血臭の除去
・酸化防止
・雑菌増殖抑制
やり方
・エラ切り
・海水中で放血5〜10分
これだけで別の魚レベルになります。
海水氷冷却 → 約40%臭い軽減
プロ漁師が使う方法。
効果
・急速冷却
・腐敗停止
・浸透圧で余分な水分排出
・内臓臭抑制
真水氷より効果が高い理由
→魚の細胞を壊さないため。
塩を振る(塩締め) → 約20%軽減
効果
・余分な水分除去
・臭い成分排出
・身が締まる
特にチヌに有効。
3つ併用するとどうなる?
合計効果
血抜き:約40%
海水氷:約40%
塩締め:約20%
→重複効果を考慮して
約80〜95%の臭い軽減
実際は「臭い魚 → 高級魚レベル」まで変わります。
最強の処理手順(釣り人用)
1 釣ったら即血抜き
2 海水氷へ直行(0〜2℃)
3 帰宅後に塩を軽く振る
4 内臓を早く除去
これでほぼ臭いは消えます。
なぜ釣り人によって評価が真逆になるのか
「ボラは臭い」
「チヌはまずい」
と言う人の多くは
・血抜きしていない
・常温放置
・真水氷のみ
・処理が遅い
一方で美味いと言う人は処理をしています。
魚の評価の差=処理の差です。
まとめ
ボラ・チヌが臭い理由は魚種ではなく
・環境
・血
・内臓
・処理方法
によるものです。
臭い対策の最強組み合わせは
・血抜き → 約40%減
・海水氷 → 約40%減
・塩締め → 約20%減
合計80〜95%軽減可能。
正しく処理すれば
ボラもチヌも極上の魚になります。

