釣りに来て、一番落ち込む瞬間。
それは魚が釣れないことではありません。
「ボウズ」なんて、釣り人にとっては挨拶みたいなものですから。
本当の敵は、手元で静かに、しかし確実に精神を蝕む「糸ヨレ(ライントラブル)」です。
せっかく日頃のストレスを海に流しに来たのに、糸がグチャグチャに絡まって、逆にストレスを溜めて帰る。
こんな悲劇、二度と味わいたくないですよね。
今回は、なぜあのイライラが発生するのか、そしてどうすれば防げるのか。
現場の視点から、解決策をズバリ書きます。
なぜ、糸は勝手によれるのか?
「何もしてないのに、勝手に絡まる!」
よくお客様から聞く言葉ですが、実は原因の大半は「スピニングリールの宿命」と「使い方」にあります。
スピニングリールは構造上、糸を巻き取るたびに、少しずつ糸に「ひねり」を加えています。
100回投げれば、100回分のひねりが蓄積されていく。
これが限界を超えると、竿先に絡みついたり、スプールからドバっと塊で出てしまったりするのです。
いわば、糸が悲鳴を上げている状態ですね。
そして、もう一つ最大の原因。
それは「ドラグが鳴っている時にハンドルを巻くこと」です。
魚が引いて糸が出ているのに、無理やりハンドルを回していませんか?
これ、一番糸がよれます。
空回りしているのに巻くという行為は、糸に猛烈なねじれを与えているのと同じなんです。
今日からできる、3つの解決策
では、どうすればこのストレスから解放されるのか。
難しいことではありません。
基本を守るだけで、トラブルは劇的に減ります。
1. ドラグが鳴ったら巻かない
基本中の基本です。
魚が走ってジージーとドラグが鳴っている時は、ハンドルから手を離して耐えるだけ。 巻くのは「魚が止まってから」です。
これを徹底するだけで、糸の寿命は倍以上に伸びます。
2. テンションを掛けて巻く
仕掛けを回収する時、あるいは新しい糸を巻く時。 糸がフカフカの状態でリールに巻かれると、次のキャストで必ずトラブルになります。
指で少し糸をつまんで、抵抗(テンション)を感じながら巻き取る癖をつけてください。
これだけで、スプールの中が整列し、トラブルが激減します。
3. 「ヨリモドシ」をケチらない
仕掛けと道糸を繋ぐ金属パーツ、サルカン(スイベル)。
ここが錆びていたり、安物で回転が悪かったりすると、仕掛けの回転がすべて道糸に伝わってしまいます。
数百円の違いですが、回転性能の良い「ベアリング入り」のスイベルを使ってみてください。
糸のよれを、この小さなパーツが逃がしてくれます。

