釣ってきた魚、あるいは冷蔵庫で少し時間が経ってしまった魚。
「あ、ちょっと匂うかも…」
そう思った時、みなさんはどうしていますか。
水でジャブジャブ洗っていませんか。
実はそれ、一番もったいないやり方です。
魚の臭いを消し、旨味を引き出すなら、古来から伝わる**「塩と酒」**。
結局のところ、これが最強にして唯一の正解です。
なぜ水洗いではダメで、塩と酒なのか。
今回は、プロも実践する「魔法の下処理」を解説します。
■ なぜ「水洗い」だけではダメなのか
真水で洗うと、表面の汚れは落ちます。
しかし、魚の身に含まれる「臭みの元(トリメチルアミンなど)」は、水洗いだけでは抜けきれません。
それどころか、真水を吸って身が水っぽくなり、旨味まで逃げてしまいます。
「洗えば洗うほど、味の抜けたスポンジになる」と思ってください。
■ 「塩」と「酒」の役割
ここで登場するのが、塩と酒です。
この二つには、明確な科学的役割があります。
1. 塩:臭い水分を「引き出す」 浸透圧の力を使います。 塩を振ることで、魚の内部にある余分な水分が表面に浮き出てきます。 この水分こそが、生臭さの正体です。 塩は、臭いを物理的に体の外へ追い出してくれるのです。
2. 酒:臭いを「洗い流し、飛ばす」 浮き出た臭い水分を、酒(アルコール)で洗い流します。 さらに、アルコールが揮発する際に、残った臭い成分も一緒に空中に持ち去ってくれます(共沸効果)。 おまけに、酒のコクと旨味が魚に入ります。
■ 実践!最強の「塩酒洗い」手順
やり方は驚くほど簡単です。
今日からすぐに実践できます。
手順①:塩を振って10分待つ 切り身、または下処理した魚全体に、パラパラと塩を振ります。 そのまま10分〜15分放置してください。 表面に汗のような水分が浮いてきます。 これが「臭みの塊」です。
手順②:酒で洗う ここで水を使いたくなりますが、我慢です。 料理酒(安いものでOK)を回しかけ、手で優しく表面のヌメリと塩を洗い流します。 ボウルに酒を溜めて、その中で洗うのがベストです。
手順③:徹底的に拭き取る ここが一番重要です。 キッチンペーパーで、水分を「これでもか」というくらい丁寧に拭き取ってください。 お腹の中、皮目、全てです。 この拭き取ったペーパーの臭いを嗅いでみてください。 「うわっ」となるはずです。 その臭いが、魚から抜けた証拠です。
■ 驚くほど味が変わります
この処理をした魚は、まるで生まれ変わったようになります。
煮付けにしても生臭さはゼロ。
焼けば香ばしく、身はプリプリに引き締まります。
少し鮮度が落ちた魚ほど、この効果は劇的です。
「臭いから捨てる」その前に。
台所にある塩と酒で、その魚を救ってあげてください。
手間はたったの10分ですが、味の差は歴然です。
釣太郎から、食卓を美味しくする提案でした。

