カツオの身を捌いているときに出会う、白くて細長い寄生虫「テンタクラリア」。
見た目は少し驚くかもしれませんが、実はこれ、昔からベテラン釣り人の間では「旨いカツオの証」として重宝されてきた歴史があります。
今回は、カツオと寄生虫の意外な関係について深掘りします。
1. 「寄生虫がいる=脂が乗っている」説の真実
なぜ「虫がいると旨い」と言われるのでしょうか。
それは、寄生虫も生き物であり、栄養豊富な個体を好んで寄生するからです。
たっぷり餌を食べて脂が乗った個体は、寄生虫にとっても居心地が良く、結果として「虫が多いカツオ=脂が乗ったアタリ個体」という図式が成り立ちます。
「虫がいないカツオは痩せていて味が落ちる」という説は、こうした経験則から生まれたものと言えます。
2. 正体は「テンタクラリア」
カツオの身によく見られる米粒のような、あるいは糸のような白い虫は「テンタクラリア」という寄生虫の幼虫です。
実はこの虫、人間に寄生することはなく、万が一食べてしまっても健康上の害はありません。
「虫がいるから不衛生」というわけではなく、むしろカツオが豊かな海で活発に餌を食べて育った証拠でもあるのです。
3. 注意すべきは「アニサキス」
一方で、絶対に油断してはいけないのが「アニサキス」です。
こちらは内臓から身に移動し、激しい腹痛を引き起こします。
テンタクラリアとは別物として考える必要があります。
新鮮なうちに内臓を取り除くこと、そして目視でしっかり確認することが、生食を安全に楽しむための鉄則です。
4. 賢く美味しくカツオを楽しむために
寄生虫を過度に怖がる必要はありませんが、適切に処理することが大切です。
テンタクラリアは、見つけたら指や包丁の先で取り除けば問題ありません。
もし気になる場合は、加熱調理(焼き切りや竜田揚げ)にすれば、さらに安心して美味しくいただけます。
南紀の海で獲れるカツオは、まさに海の恵みの結晶です。
寄生虫の存在を「豊かな海の証」として捉え、正しい知識を持って、旬の味覚を堪能しましょう。

