魚が生きている間、海水の浸透圧調整のために体内に溜め込んでいる物質が**トリメチルアミンオキシド(TMAO)**です。
- 死後 → 細菌・酵素の働きでTMAOが分解
- → **トリメチルアミン(TMA)**が発生
- TMAは揮発性が高く、**強烈な生臭さ(アンモニアっぽい・魚臭い)**の原因
さらに、血合い・ぬめり・酸化した脂質も臭いの助っ人として加わります。
お湯を掛けるとなぜ臭いが消えるのか?(3つの科学メカニズム)
- TMAが熱で揮発・逃げる
TMAは加熱すると非常に揮発しやすい性質があります。80〜90℃のお湯をかけるだけで、表面近くのTMAが気化してどんどん空気中に逃げます(沸騰100℃だと身が硬くなりすぎるのでNG)。 - 臭みの元(ぬめり・血・酸化脂質)がお湯に溶け出す
TMAをはじめとする臭い成分の多くは水溶性。熱湯をかけるとタンパク質が軽く凝固(霜が降りたように白くなる)し、ぬめりや血合いが固まって剥がれやすくなり、同時に臭い成分がお湯に溶け出して流れ落ちます。 - 表面のタンパク質が引き締まり、臭い成分の放出をブロック
熱で皮目・表面がさっと締まるため、後の煮付け・焼き・揚げで臭いが身の中から出てきにくくなります。
→ 結果:臭み成分が「揮発+溶出+封じ込め」のトリプル効果で大幅カット!
実際に効果が高い魚・料理
- 特に効果大:サバ、アジ、イワシ、サンマ、ブリ、カツオなど青魚・回遊魚
- 白身魚でも有効:アラ付きの鯛・カレイ・ヒラメなど(鮮度落ちたもの)
- おすすめ料理:煮付け、味噌煮、照り焼き、鍋、アク抜きが必要な料理全般
プロがやっている正しい「お湯掛け(霜降り)」のやり方
- 魚をザルや網の上に置く(汁が下に落ちるように)
- 80〜90℃のお湯を準備(沸騰したお湯に少し水を足すか、火を止めて3分待つ)
- 皮目・血合い側を中心にサッと全体にかける(2〜5秒程度)
- 表面が白く霜降り状になったらすぐ氷水or流水で冷やす
- キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る
これだけで臭みが激減。煮汁も濁りにくく、見た目もきれいに仕上がります。
料理前のこの「たったひと手間」が、魚料理のクオリティを一気にプロレベルに引き上げてくれますよ。
ぜひ次回の魚料理で試してみてください!
臭いが気にならなくなると、魚を食べる頻度がグッと増えるはずです。

