そう聞いて大阪から来た釣り人が、
実際に現地で竿を出しても――
なぜか釣れない。
もしくは、隣では釣れているのに自分だけ釣れない。
これは決して珍しい話ではありません。
結論から言うと、
腕の差でも、運の差でもありません。
都市部の釣りと、南紀の寒尺アジ釣りでは、
「前提」がまったく違うのです。
寒尺アジとは何者なのか
寒尺アジとは、
冬場に釣れる30cm前後、もしくはそれ以上の大型アジ。
・脂が乗る
・身が厚い
・刺身でもフライでも別格
しかし同時に、
非常に警戒心が強く、条件に敏感な魚でもあります。
数はいる。
しかし、簡単には口を使わない。
それが寒尺アジです。
都市部の釣りが「間違い」になる瞬間
大阪湾・都市部の釣りは、
・魚影が薄い
・回遊待ちが基本
・口を使えば勝ち
この経験が長いほど、
南紀の寒尺アジ釣りではズレが生じます。
なぜなら、
魚はいるのに釣れない釣り
これが寒尺アジの基本だからです。
逃す理由①「釣り方が速すぎる」
都市部の釣りでは、
・テンポよく
・手返し重視
・アタリがなければ移動
この感覚が染みついています。
しかし寒尺アジは、
・居着く
・回遊が遅い
・潮とタイミングが合わないと口を使わない
つまり、
待てない釣り人ほど逃す魚なのです。
逃す理由②「タナを疑わない」
都市部では、
・表層〜中層
・サビキは一択
このイメージが強い。
しかし寒尺アジは、
・底寄り
・中層下
・日中と夜でタナが変わる
にも関わらず、
「いつものタナ」で釣り続けてしまう。
結果、
アジは足元にいるのに、釣り人の仕掛けが届いていない。
逃す理由③「細仕掛け=正解と思っている」
都市部では、
・魚が小さい
・プレッシャーが高い
・細くしないと食わない
この成功体験が邪魔をします。
寒尺アジは、
・体が大きい
・口も強い
・太仕掛けでも問題ない
むしろ、
細すぎる仕掛けは動きが不自然になり、
見切られる原因になることすらあります。
逃す理由④「エサ・仕掛けを疑わない」
大阪から来た釣り人ほど、
「いつものエサ」
「いつもの仕掛け」
に固執しがちです。
しかし寒尺アジは、
・その日のベイト
・水温
・潮色
・時間帯
これらによって、
食いがガラッと変わる魚です。
現地で釣れている人ほど、
仕掛けを頻繁に微調整しています。
逃す理由⑤「寒尺アジを“アジ”だと思っている」
これが最大の理由です。
寒尺アジは、
「大きなアジ」ではありません。
・行動が違う
・警戒心が違う
・釣れ方が違う
別の魚だと思った方が、釣れる。
この意識の差が、
釣果の差になります。
地元釣り人が黙って釣る理由
南紀の地元釣り人は、
寒尺アジをこう見ています。
・釣れる時間を待つ
・釣れない時間は無理をしない
・条件が合えば一気に来る
だから、
騒がない。
焦らない。
無駄に動かない。
この姿勢こそが、
寒尺アジを獲る最大のコツです。
寒尺アジは「都市型思考」を捨てた者に微笑む
大阪・都市部から来た釣り人が寒尺アジを逃す理由は、
経験不足ではありません。
経験が都市型に最適化されすぎている。
・速さを捨てる
・固定観念を捨てる
・「いるのに釣れない」を受け入れる
この切り替えができた瞬間、
寒尺アジは一気に近づいてきます。
まとめ
寒尺アジは、
「釣り人の思考」を試す魚です。
大阪で通用した釣りが、
南紀では通用しない。
だからこそ、
釣れた一匹の価値が圧倒的に高い。
寒尺アジを逃したなら、
魚を疑う前に、
自分の釣り方を一度、疑ってみてください。
それが、
次の一匹への最短ルートです。

