「活締め」
釣り人なら一度は聞いたことのある言葉です。
しかし実際に、
・何を切っているのか
・なぜ魚が一瞬で動かなくなるのか
・なぜ活締めすると鮮度が長く持つのか
ここまで正確に説明できる人は多くありません。
この記事では、
活締めを感覚ではなく、仕組みとして理解することを目的に、
できる限りわかりやすく解説します。
活締めとは何か
活締めとは、
魚が生きているうちに、意図的に生命活動を止める処理方法です。
重要なのは、
「殺すこと」ではありません。
魚を暴れさせず、無駄なエネルギー消費を止めること
これが活締めの本質です。
活締めで「何を切っているのか」
切っているのは「脳」
活締めの基本は、
脳締めです。
魚の眉間や目の後ろ付近にある
「脳」にピックやナイフを刺します。
これにより、
・意識
・反射
・指令系統
が一瞬で遮断されます。
なぜ脳を切ると即止まるのか
魚の体は、
脳からの電気信号によって筋肉を動かしています。
脳が破壊されると、
・筋肉に「動け」という指令が届かない
・反射行動が起きない
その結果、
魚は一瞬で動かなくなります。
神経締めは何をしているのか
神経締め=背骨の中を通る神経を壊す
神経締めでは、
ワイヤーを背骨の中に通し、
脊髄神経を物理的に破壊します。
これにより、
脳からの指令だけでなく、
残留反射も完全に遮断されます。
なぜ神経締めをすると身が良くなるのか
魚は、
脳が止まっても
しばらくは神経反射で筋肉が動きます。
この「ビクビク」が続くと、
・ATP(エネルギー物質)が消費され
・乳酸が発生し
・身が硬直しやすくなります。
神経締めは、
この無駄な筋肉運動を止める処理です。
なぜ活締めすると鮮度が長く持つのか
理由① 無駄に暴れない
魚が暴れる=筋肉運動です。
筋肉運動が起きると、
・体温が上がる
・ATPが急激に消費される
・自己消化が早まる
活締めは、
これを最初から起こさせません。
理由② 血がきれいに抜ける
活締め後に血抜きを行うと、
心臓が止まる直前の圧力で
血がスムーズに流れ出ます。
血は、
・臭いの原因
・劣化の原因
でもあります。
血を残さないことで、
身の変色・臭い・腐敗が遅れます。
理由③ 硬直が穏やかに進む
魚は死後、
必ず「死後硬直」を起こします。
活締めされた魚は、
・ATPが多く残る
・硬直がゆっくり進む
その結果、
身持ちが良く、熟成にも向く状態になります。
活締めしないと何が起きるのか
活締めをしない魚は、
・暴れる
・酸欠になる
・体温が上がる
そのまま死ぬため、
・硬直が早い
・身が割れやすい
・臭いが出やすい
同じ魚でも、
別物の状態になります。
活締めが向いている魚・向いていない魚
活締めが特に有効な魚
・青物
・グレ
・大型アジ
・高級魚全般
筋肉量が多い魚ほど、
活締めの効果がはっきり出ます。
必須ではない魚
・小型魚
・すぐ調理する魚
この場合は、
素早い血抜きと冷却で十分なケースもあります。
活締めは「技術」ではなく「考え方」
活締めは、
特別な人のための技術ではありません。
魚の体の仕組みを理解し、
無駄なダメージを与えないという考え方です。
・なぜ締めるのか
・なぜ早い方がいいのか
これを理解すれば、
誰でも正しい活締めができます。
まとめ
活締めとは、
・脳を止め
・神経を遮断し
・暴れを防ぎ
・血を抜き
・鮮度を守る
ための、理にかなった処理です。
釣った魚を、
最高の状態で食べたい。
そう思うなら、
活締めは避けて通れません。

