苦労して釣り上げた大型アジ。
脂が乗って最高の刺身になるサイズだからこそ、鮮度には徹底的にこだわりたいものです。
「家に帰って食べたら、身が白っぽくなっていた」
「思ったよりプリプリしていなかった」
そんな経験はありませんか。
それは持ち帰り方や、締めるタイミングに原因があるかもしれません。
今回は大型アジの美味しさを極限まで引き出す、ベストな鮮度維持方法をご紹介します。
鮮度維持の基本は「即座に冷やす」こと
魚は釣り上げられた瞬間から、ストレスや暴れることによる体温上昇で身の劣化が始まります。
特に夏場や水温が高い時期は、時間との勝負です。 大型のアジであっても、釣れたらすぐにクーラーボックスへ入れるのが鉄則です。
しかし、ただ氷を入れたクーラーに入れるだけでは不十分な場合があります。
そこで活躍するのが「海水氷(潮氷)」です。
「海水氷(潮氷)」がなぜ有効なのか
海水氷とは、クーラーボックスに入れた氷に海水を注ぎ、キンキンに冷えたシャーベット状の水を作ることです。
この海水氷には、固体の氷だけで冷やす場合に比べて圧倒的なメリットがあります。
1. 冷却スピードが段違い
氷単体では、魚体に当たる面積が限られます。
しかし液体である海水氷なら、魚全体を包み込み、芯まで一気に冷やすことができます。
この「瞬発的な冷却」こそが、鮮度劣化を食い止める最大のポイントです。
2. 浸透圧で身が水っぽくならない
真水の氷水に入れてしまうと、浸透圧の関係で魚の身に水が入り込み、ベチャッとしてしまいます。
海水を使うことで体液に近い塩分濃度を保ち、身の質を守ることができます。
大型アジのベストな処理手順
それでは、実際に大型アジが釣れた時の、理想的な処理手順をご説明します。
尺を超えるようなサイズの場合、手間をかける価値は十分にあります。
1. 脳天締め&血抜き(可能なら)
大型アジの場合、暴れて身割れするのを防ぐため、ピックなどで脳天を突いて即死させます。
その後、エラ膜を切ってバケツで海水を循環させ、血を抜きます。
血を抜くことで生臭さが消え、透明感のある美しい身になります。
(時合いで忙しい時は、この工程を省き、すぐに次の手順へ進んでも構いません)
2. 海水氷へドボン
血抜きが終わったアジ、もしくは釣れたてのアジを、あらかじめ作っておいた海水氷の中に入れます。
ここで重要なのは「芯まで冷やす」ことです。
魚の大きさにもよりますが、15分~30分ほど漬け込んで、体温を一気に下げます。
3. 水気を切って保冷
ここが意外と知られていない、プロのこだわりポイントです。
長時間、海水氷に漬けたままにすると、目が白濁したり、多少なりとも水分を吸って旨味が逃げたりすることがあります。
芯まで冷え切ったら、一度取り出して水気を拭き取ります。
その後、ビニール袋に入れて、氷に直接触れないようにクーラーボックスで保管します。
これが「極上のアジ」を持ち帰るためのひと手間です。
まとめ:海水氷を活用して最高のアジを
手軽で効果絶大な「海水氷」。
釣行前にペットボトル氷やブロック氷を用意し、釣り場に着いたらまずは海水を入れて「冷却用プール」を作っておきましょう。
この準備さえしておけば、急に大型アジが回遊してきても慌てることなく、最高の状態で持ち帰ることができます。
ぜひ次回の釣行で実践し、釣り人だけの特権である「究極の大型アジの刺身」を味わってください。

