まえがき:ウキが「シモる」だけで舞い込まない理由
「ウキが1センチ沈んで、そこで止まった」 「合わせても素針(すばり)。でもエサは潰されている」
寒の時期のグレ釣りで、こんな悔しい思いをしたことはありませんか。
実はその瞬間、海の中では**人間が想像するよりもシビアな「吐き出し行動」**が行われています。
今回は、寒グレが殻付きのエサ(生オキアミやボイル)を口にした瞬間、なぜすぐに吐き出してしまうのか。
そのメカニズムを水中視点で解説します。
1. 寒グレの捕食スイッチは「吸引力」
まず理解しておきたいのが、グレの捕食方法です。彼らはエサを噛み付くのではなく、水と一緒に**「吸い込む」**形で口に入れます。
水温が高い時期は、活性が高いため勢いよく吸い込み、そのまま反転して走ります。
れが「ひったくるようなアタリ」です。
しかし、低水温の冬は動きが鈍く、吸い込む力も弱くなります。この**「弱い吸い込み」**が悲劇を生みます。
2. 「殻」がブレーキになる決定的瞬間
ここで、先ほどのイメージ図(エサを吐き出す瞬間)を思い出してください。
オキアミ(特にボイル)には、硬い「殻」があります。 吸い込む力が弱い冬場、この殻の摩擦抵抗や硬さが邪魔をして、エサが口の奥(喉元)までスムーズに入りません。
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吸い込む:グレがエサを口先に入れる。
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違和感:口の中で「殻」のガサガサ感や硬さを感知。
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吐き出す:喉を通る前に、異物として「ペッ」と吐き出す。
この間、わずか0.5秒以下。
ウキが「チョン」と動いて止まるのは、まさにこの「吸って、吐いた」一瞬の出来事なのです。
竿先に重みが乗らないのは、針が口の中に残っていないからです。
3. なぜ「むき身」だと飲まれるのか?
そこで有効になるのが、前回解説した**「むき身(殻なし)」**です。
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抵抗ゼロ:ツルッとした身だけなので、弱い吸い込みでも喉の奥まで滑り込みます。
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食感:口に入れた瞬間、柔らかい身は「エサだ」と認識されやすく、吐き出すまでのタイムラグが伸びます。
「殻があるかないか」。人間には些細な違いでも、寒さで神経質になったグレにとっては、「小石」と「ゼリー」くらい食感に差があるのです。
4. 現場での対策:吐かせない工夫
寒グレの「吐き出し」を防ぐために、現場ですぐできる対策は3つです。
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小針にする:エサだけでなく針の重量も軽くし、吸い込みやすくする。
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遅合わせ厳禁:居食いしている可能性が高いので、少しでも違和感があれば即合わせ、または「聞き合わせ」で重みを感じてみる。
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エサを加工する:ボイルで食わないなら、面倒でも殻を剥く。「むき身」にするだけで、ウキの入り方が劇的に変わります。
まとめ:その「違和感」を消す作業が釣果を変える
「魚はいるのに食わない」のではなく、「口には入れているが、気に入らなくて吐いている」のが寒グレ釣りの正体です。
あの繊細なアタリを捉えるのもフカセ釣りの醍醐味ですが、まずは魚に**「違和感なく飲み込ませる」**ことが先決。
次回の釣行では、ぜひ「剥く」一手間を惜しまず、賢い寒グレとの知恵比べに勝利してください。
釣太郎店では、加工用の生オキアミから、エサ持ち重視のボイルまで豊富に取り揃えています。
現場の状況に合わせて、最適なエサを選びましょう!

