結論から申し上げますと、**「こだわり抜いて最高に美味しく食べるなら、
冷蔵庫よりも『氷(クーラーボックス・発泡スチロール)』での保管が上」**です。
特に、前回ご質問いただいた「寒尺アジの熟成」のようなシーンでは、この差が仕上がりに大きく影響します。
なぜ氷の方が良いのか、どうすれば冷蔵庫でもそれに近づけるのかを解説します。
1. なぜ「冷蔵庫」より「氷(発泡箱)」が良いのか?
最大の理由は**「乾燥」と「温度の安定性」**です。
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冷蔵庫の弱点:
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乾燥する: 冷蔵庫は冷風を循環させて冷やすため、魚の水分を奪い、身をパサつかせます(いわゆる「冷蔵庫焼け」)。
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温度が変わる: ドアの開閉のたびに庫内温度が上がります。魚(特に青物)にとって温度変化は劣化のスイッチになります。
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氷(発泡スチロール等)の強み:
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乾燥しない: 密閉された箱の中で氷が溶けていくため、湿度がほぼ100%に保たれます。身がしっとりしたまま熟成されます。
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0℃をキープ: 氷がある限り、温度は「氷温(0℃付近)」で一定に保たれます。これは魚が凍らず、かつ腐敗もしにくい「熟成に最強の温度帯」です。
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プロの料理人や魚屋さんが「とろ箱(発泡スチロール)」に氷を入れて魚を保管するのは、この環境が最適だからです。
2. 「氷保管」の最強メソッド(とろ箱スタイル)
ご自宅でこれをやる場合、以下の手順で行うのがベストです。
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容器: 発泡スチロールの箱(断熱性が高く温度が安定します)。
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氷: 箱の底に氷を敷き詰めます(砕いた氷やペットボトル氷)。
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仕切り(重要): 氷の上に直接魚を置かず、スノコやバット、なければ新聞紙やタオルを厚めに敷きます。
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※魚が溶けた水に触れると一発で傷みます。「冷気だけを伝える」のがコツです。
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魚: 下処理してペーパー・ラップで包んだ魚を置きます。
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蓋: 蓋をして、涼しい場所(玄関や廊下など、冬場なら屋外の日陰でも可)に置きます。
注意点: 毎日、溶けた水を捨て、氷を補充する手間が必要です。
3. 「冷蔵庫」で保管する場合の絶対条件
とはいえ、毎日氷を管理するのは大変です。冷蔵庫でも以下の対策をすれば、氷保管に近いクオリティを出せます。
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場所は「チルド室」一択:
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冷蔵室(3~5℃)ではなく、チルド室(0℃付近)に入れてください。
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「完全防備」で風を遮断:
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ペーパーで包む → ラップでピチッと巻く → さらにジップロック等の保存袋に入れて空気を抜く。
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この「二重・三重の壁」で冷風による乾燥を防ぎます。
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ドア開閉の影響を受けにくい奥へ:
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手前側は温度変化が激しいので、チルド室のなるべく奥に入れます。
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まとめ
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究極の味を求めるなら: 発泡スチロール+氷で「高湿度・0℃一定」を作る。
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手軽に美味しくなら: 冷蔵庫のチルド室で「袋に入れて完全密閉」する。
寒尺アジのような脂の乗った良い魚が手に入ったときは、ぜひ一度「発泡スチロール保管」を
試してみてください。
身の「しっとり感」の違いに驚かれると思います。

