【導入】釣れない時ほど、撒き餌を撒いてしまう心理
寒グレシーズン、アタリが遠のくと不安になり、ついつい大量の撒き餌をドカ撒きしてしまいませんか?
「魚を寄せなきゃ!」という焦りは分かりますが、冬の海でそれをやると、逆に状況を悪化させることがあります。
水温が低下して活性が低いグレに対し、過剰な撒き餌は「お腹いっぱい」にさせるだけか、
あるいは「エサ取り(小魚)」だけを元気にしてしまう原因になります。
今回は、あえて**「撒き餌を打たない時間」**を作り、その間に何をするべきか?
という戦略的な待ち方について解説します。 この「静」の時間を使いこなせると、釣果は劇的に変わります。
1. 「潮」の変化を目視で徹底スキャンする
撒き餌杓(シャク)を置いて、まずは海面をじっくり観察しましょう。
撒き餌を打っている時は、白い濁りに目が奪われがちですが、打つのを止めると「潮の本当の動き」が見えてきます。
-
潮目(しおめ)を探す 海面に泡が溜まっているラインや、波立ちが違う場所はありませんか? そこは流れ同士がぶつかる一級ポイントです。
-
潜り潮(もぐりじお)を見つける 仕掛けが馴染みやすい、仕掛けを引っ張り込んでくれる潮です。 ウキだけでなく、海中に漂うゴミや泡の動きを見て、沈んでいく場所を探してください。
★ポイント: 撒き餌を撒かないことで視界がクリアになり、今まで見逃していた「本流」や「引かれ潮」を発見できることがあります。
2. 「サシエサ」からの情報を分析する(探偵作業)
撒き餌を打たずに仕掛けだけを投入し、戻ってきたサシエサ(針についたエサ)の状態をチェックします。
これは、海中の状況を知るための最も重要なデータ収集です。
-
エサが冷たい場合 底潮(深い場所の水)が非常に冷えています。 グレは寒すぎて動けない状態かもしれません。タナ(深さ)を少し上げて、水温が安定している層を探る必要があります。
-
エサがかじられている場合 アタリが出ないのにかじられているなら、魚はいます。 「居食い」をしているか、エサ取りがいる証拠です。 ここで初めて「少量の撒き餌」を足元に撒き、エサ取りの正体を確認するなどの対策に移れます。
-
エサが丸残りする場合 ここには魚がいない、または食い気がゼロです。 ポイントを大きく休ませるか、場所移動(ポイント変更)を検討するタイミングです。
3. スレた巨大グレを狙う「サイレント釣法」
これこそが、撒き餌を打たない時間の最大のメリットです。
賢い大型の寒グレは、撒き餌が着水する「バシャバシャ」という音や、撒き餌の煙幕そのものを警戒している場合があります。
-
音を消してアプローチ 場を数分休ませて静かにした後、撒き餌を一切打たず、仕掛けだけをそっと投入します。 撒き餌のオキアミに見慣れて警戒しているグレも、ポツンと漂ってきた単体のオキアミには、警戒心を解いて口を使うことがあります。
-
「はぐれオキアミ」を演出 先ほどまで撒いていた撒き餌の残りが、潮に乗って流れていると想定し、その潮筋のかなり下流に仕掛けを流し込みます。 群れから離れた場所で油断している良型を狙い撃つテクニックです。
まとめ:休むことも「釣り」の一部
「撒き餌を打たない」=「休憩」ではありません。
それは、次の一尾を釣るための**「情報収集」と「場をリセットする」**という積極的な行動です。
-
潮の動きをクリアな視界で見る
-
サシエサの状態で海中の水温と活性を知る
-
音と煙幕を消して、警戒心の強い個体を狙う
寒グレ釣りでドツボにはまった時こそ、一度竿と杓を置いて、海と対話してみてください。
その「沈黙の時間」が、大物を連れてくるきっかけになるはずです。

