美味しい魚を刺身で食べたいけれど、どうしても気になるのが寄生虫「アニサキス」の存在です。
「サバにはいるけど、タイにはいない気がする」
なんとなくそんなイメージをお持ちの方も多いと思いますが、その違いがどこから来るのかご存知でしょうか。
実は、アニサキスがいるかいないかは、その魚が**「何を食べて育ったか」**でほぼ決まります。
今回は、アニサキスが入っているリスクが高い魚と低い魚を、具体的な名前を挙げて徹底解説します。
決定的な違いは「オキアミ」を食べているかどうか
アニサキスがいる魚といない魚の最大の分岐点、それは**「食物連鎖」**です。
アニサキスの幼虫は、海の中の「オキアミ(プランクトンの一種)」に寄生しています。
つまり、このオキアミを主食にしている魚、あるいは「オキアミを食べて育った小魚」を捕食する
魚は、必然的にアニサキスを取り込むリスクが高くなります。
逆に、オキアミを食べない魚や、人工飼料で育った魚には、アニサキスはほとんどいません。
【危険度・高】アニサキス保有率が高い魚(回遊魚系)
海中を広く泳ぎ回り、オキアミや小魚を大量に食べる「回遊魚」は、アニサキスのメインターゲットです。
これらの魚を生食する場合は、細心の注意が必要です。
-
サバ(鯖) アニサキスといえばサバ、と言われるほどの代表格です。 オキアミを大量に捕食するため、天然物には高確率で寄生しています。
-
スルメイカ イカ類もオキアミや小魚を襲って食べるため、保有率は非常に高いです。 特に肝(内臓)周りに集中しています。
-
カツオ(鰹) 食物連鎖の上位にいるため、エサとなる小魚経由で取り込んでいることが多いです。 腹皮(ハラモ)部分に潜んでいることがよくあります。
-
サンマ、イワシ、アジ(大型) これらもプランクトンフィーダー(プランクトン食)であるため、内臓にいる可能性は常にあります。 特に大型化したアジは小魚も食べるため、リスクが上がります。
-
サケ(天然の鮭・サーモン) 川に遡上する前の海にいるサケは、オキアミを食べているためアニサキスリスクが高いです。 ※スーパーで売られている刺身用サーモンが安全なのは「養殖」だからです。
【危険度・低】アニサキスが比較的少ない魚
絶対にいないわけではありませんが、食性や生息環境の違いから、比較的リスクが低いとされる魚たちです。
-
マダイ(真鯛) 雑食性ですが、エビやカニ、貝類などの底生生物を好んで食べるため、回遊魚に比べると確率は低くなります。 ただし、天然物で小魚を食べている個体はゼロではありません。
-
タコ(蛸) カニや貝を主食としているため、イカに比べるとアニサキスリスクは格段に低いです。
-
キス(鱚) 海底のゴカイなどを食べているため、中層を漂うオキアミ由来のアニサキスには感染しにくい魚です。
-
養殖魚全般(養殖マダイ、養殖ブリ、養殖サーモン) これが**「最も安全」**と言えるカテゴリーです。 養殖魚は、管理された「ペレット(人工飼料)」を食べて育つため、アニサキスが入るルートが遮断されています。 「刺身で食べるなら養殖が安心」と言われるのはこのためです。
【要注意】「いない」と思われがちだが、実はいる魚
安全だと思い込んで油断しやすいのが、以下の「底物・根魚」たちです。
-
ヒラメ(鮃) 高級魚ですが、フィッシュイーター(魚食性)です。 エサとして食べたイワシやアジにアニサキスがいれば、ヒラメにも感染します。 天然ヒラメの刺身には注意が必要です。
-
カサゴ、ハタ類(根魚) 岩場にいるので安全そうに見えますが、彼らも小魚を丸呑みします。 大型の根魚ほど、体内にアニサキスを蓄積している可能性があります。
まとめ:天然魚を食べるなら「目視」と「冷却」は必須
「アニサキスがいる魚=食べてはいけない魚」ではありません。
サバやイカ、寒尺アジなど、リスクが高い魚ほど脂が乗っていて美味しいのも事実です。
重要なのは、相手が「オキアミを食べている天然魚」であれば、必ずリスクがあることを理解しておくことです。
-
釣ったらすぐにキンキンに冷やす(内臓から出さない)
-
調理時は明るい場所で目視確認する
-
心配なら加熱か冷凍(-20℃で24時間以上)する
この3つの鉄則を守れば、どの魚も美味しく安全に楽しめます。
当店では、アニサキスの活動を抑えるための「強力な保冷剤」や「バラ氷」を常時完備しております。
美味しい魚を持ち帰るために、ぜひご活用ください。

