京都産の尺アジを買って驚いた人へ 南紀の寒尺アジとは何が違うのか?

スーパーで「京都産・尺アジ」と書かれたアジを見かけると、

「え?京都で尺アジ?」と驚く人は多いはずです。

実際に購入して食べてみると、
・大きい
・立派
・でも、南紀の寒尺アジと何か違う
と感じた人も多いのではないでしょうか。

結論から言います。

同じ「尺アジ」でも、京都産と南紀産では“別の魚”と言っていいほど違います。

その理由を、順を追って解説します。


まず前提

「尺アジ」とはサイズの呼び名

尺アジとは、・全長30cm以上のアジというサイズ基準の呼び名です。

つまり、
・産地
・季節
・育った環境
・食性
は一切関係ありません。

大きければ、尺アジ。

この時点で、京都産も南紀産も「尺アジ」と呼ばれます。

しかし、問題はここからです。


京都産の尺アジとは何者か

京都産のアジの多くは、
・若狭湾
・丹後半島沖 で水揚げされます。

特徴は、
・比較的水深のある沖合
・回遊性の高い群れ
・プランクトン主体の食性 です。

つまり、「沖を回遊して育った大型アジ」という位置づけになります。

京都産尺アジの特徴

・体高があり見た目が良い
・身が厚い
・脂はそこそこ
・クセが少ない
・万人向けの味

スーパー流通向きで、
・刺身
・フライ
・塩焼き
に使いやすいアジです。


南紀の寒尺アジとは何者か

一方、南紀の寒尺アジはまったく性格が違います。

南紀寒尺アジの最大の特徴

「堤防・沿岸に居着いた個体」であること。

・回遊をやめ
・底付近で生活し
・冬の低水温を耐え
・エネルギーを脂として溜め込む

これが、南紀の寒尺アジです。

南紀寒尺アジの環境

・黒潮の影響を受ける
・水温低下が急激
・エサが限られる
・生き残った個体だけが巨大化

つまり、生存競争を勝ち抜いたエリート個体。


決定的な違い①

脂の「質」と「入り方」

ここが最大の違いです。

京都産尺アジの脂

・全体に均一
・あっさり系
・後味が軽い

南紀の寒尺アジの脂

・腹身に集中
・舌に残る
・甘味が強い
・トロ感がある

釣り人の間で、「アジなのにトロ」と言われる理由がここです。


決定的な違い②

身質と繊維

京都産

・身が柔らかめ
・繊維が素直
・火を通しても扱いやすい

南紀の寒尺アジ

・身が締まる
・繊維が細かい
・包丁を入れた時の反発が違う

刺身にした瞬間、包丁の感触で違いが分かります。


決定的な違い③

「育ち方」の違い

ここが本質です。

京都産尺アジ=回遊型・沖育ち

南紀寒尺アジ=居着き型・底育ち

同じアジでも、・走り続けた魚

・踏ん張って生きた魚では、体の作りが変わります。


味の評価まとめ

京都産の尺アジ

・安定感
・クセがない
・誰にでも美味しい
・流通向け

南紀の寒尺アジ

・脂の主張が強い
・刺身特化
・鮮度管理が命
・価値が分かる人向け


なぜ南紀の寒尺アジは希少なのか

南紀の寒尺アジは、
・数が少ない
・冬限定
・サイズが揃わない

さらに、
・堤防で釣れる
・釣り人が狙って持ち帰る
ため、市場にほとんど出ません。

スーパーに並ぶ時点で、かなりレア。


結論

同じ尺アジでも別物

京都産の尺アジは、・完成度の高い優等生

南紀の寒尺アジは、・尖ったエリート

どちらが上、という話ではありません。

ただし、「南紀の寒尺アジを知ってしまうと、普通のアジに戻れない」

そう言われる理由は、確かに存在します。


まとめ

・尺アジはサイズ名でしかない

・京都産は回遊型で安定した味

・南紀寒尺アジは居着き型で脂が別格

・育った環境が味を決める

もし次に、南紀で「寒尺アジ」を見かけたら。

ぜひ、刺身で食べてみてください。

アジの概念が変わります。

下記写真の尺アジは購入したものです。

 

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