日本には「〇〇ダイ」と名の付く魚が約300種類以上いると言われていますが、
その中で生物学的に正真正銘の「タイ科」の魚は、実はわずか10種類程度しかいません。
残りの9割以上は、タイにあやかって名付けられた、通称**「あやかり鯛」**です。
「お祝い事といえばタイ!」 「高級魚といえばタイ!」
私たち日本人は鯛(タイ)が大好きです。
スーパーや鮮魚店に行けば、キンメダイ、アマダイ、イシダイなど、たくさんの「〇〇ダイ」が並んでいますよね。
しかし、皆様はご存知でしょうか? 実は、それらの魚の9割以上は「タイ」の仲間(タイ科)ではありません。
今回は、そんなちゃっかり名前を借りている**「あやかり鯛」**たちの正体を暴きつつ、
代表的な種類をリストアップして解説します。
これを知れば、明日からの魚選びが少し楽しくなるはずです!
1. まずは本物を知ろう!「真のタイ科」とは?
比較する前に、生物学上の「正真正銘のタイ(スズキ目タイ科)」をおさらいします。
日本で獲れる主な「本物のタイ」は以下の数種類のみです。
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マダイ(王様)
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チダイ(ハナダイ)
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キダイ(レンコダイ)
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クロダイ(チヌ)
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ヘダイ
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キチヌ(キビレチヌ)
これら以外は、基本的にすべて「偽物」…もとい、「あやかり鯛」なのです!
2. 実は赤の他人!有名な「あやかり鯛」リスト
食卓や釣りでおなじみの魚たちも、実は分類学上は全く別のグループに属しています。
有名なものをカテゴリー別に紹介します。
①【高級魚クラス】名前負けしていない実力派
味も価格もマダイに引けを取らない、あるいはそれ以上の魚たちです。
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キンメダイ(金目鯛)
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分類:キンメダイ目キンメダイ科
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深海魚の仲間。煮付けの王様ですが、マダイとは住む場所も形も全く違います。
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アマダイ(甘鯛)
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分類:スズキ目アマダイ科
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京料理の高級食材「グジ」。見た目は少し似ていますが、別の種族です。
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イシダイ(石鯛)
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分類:スズキ目イシダイ科
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磯の王者。縞模様と硬い口が特徴。タイ科のような平たい体ですが、別種です。
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②【スーパーの定番】食卓の味方
安くて美味しい、庶民の味方たちです。
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イボダイ(疣鯛)
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分類:スズキ目イボダイ科
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関西では「シズ」。干物にすると絶品ですが、体型は丸っこいです。
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マトウダイ(馬頭鯛・的鯛)
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分類:マトウダイ目マトウダイ科
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体に的(マト)のような黒い斑点がある平たい魚。フレンチによく使われます。
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メダイ(目鯛)
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分類:スズキ目イボダイ科
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体がヌルヌルしている大型魚。刺身や西京漬けが美味しいです。
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③【釣り人の好敵手】磯や堤防の人気者
引きが強く、釣り人に愛される魚たちです。
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コロダイ & コショウダイ
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分類:スズキ目イサキ科
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先日の記事でも紹介した彼ら。実は「イサキ」の親戚なんです。
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ブダイ(舞鯛)
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分類:スズキ目ベラ亜目ブダイ科
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ベラの仲間。独特のカラフルな見た目をしています。
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3. なぜ日本には「〇〇ダイ」ばかり多いのか?
なぜ、分類が全く違う魚にまで「タイ」と付けたのでしょうか?
そこには、日本人特有の文化と事情がありました。
理由①:マダイのブランド力(あやかりたい!)
古来より、マダイは姿が美しく、味も良く、赤色がめでたい(紅白)ことから、「魚の王様」
とされてきました。
「タイという名前を付ければ、立派な魚に聞こえるし、高く売れる!」
そんな人間の商魂たくましい理由から、平たい魚や赤い魚に片っ端から「〇〇ダイ」と
名付けたのです。
これが「あやかり鯛」の語源です。
理由②:形状が似ている(平たい魚=タイ)
昔の人は、分類学よりも「見た目の印象」で名前を付けました。
「体が平べったくて、側扁(そくへん)している魚」は、とりあえず「タイの仲間だろう」と
大雑把に認識された経緯があります。
(例:イシダイ、スズメダイ、チョウチョウウオの仲間など)
理由③:地方名が定着した
もともとは別の名前があったのに、地域で「〇〇ダイ」と呼ばれていた通称が、
そのまま標準和名になってしまったケースも多くあります。
まとめ:名前は違えど味は一級品!
「あやかり鯛」だからといって、決して味が劣るわけではありません。
キンメダイやアマダイのように、本家マダイを凌ぐほどの評価を得ている魚もたくさんいます。
【今回のポイント】
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本物のタイ(タイ科)はマダイ、クロダイなど少数派。
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キンメダイ、イシダイ、コロダイなどは、タイ科ではない「あやかり鯛」。
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名前の理由は、マダイのブランド力にあやかりたかったから。
次にスーパーや魚屋さんに行った際は、「これは本物かな?それともあやかり鯛かな?」と
ラベルを見てみてください。
魚の顔つきの違いが見えてきて面白いですよ!

