はじめに:そのアジ、醤油を弾くほど脂ギッシュ
「アジなんてどれも同じでしょ?」
もしそう思っているなら、南紀の冬のアジを食べたことがない証拠かもしれません。
和歌山県・南紀エリアで冬に水揚げされる、あるいは堤防から釣れる30cmオーバーの「寒尺アジ」。
実はこれ、**「脂質含有率15%〜18%」**という、マグロのトロに匹敵する数値・
全国トップクラスの脂乗りを誇る、知る人ぞ知るブランド食材なのです。
1. 数字で見る衝撃!「15%」がいかに異常か
魚の美味しさを決める指標の一つ「脂質含有率」。
一般的なマアジと比較すると、南紀の寒アジがいかに異次元かわかります。
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一般的なマアジ: 3%〜5%(さっぱりした味)
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有名なブランド関アジ: 10%前後(身の締まりが特徴)
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南紀の寒尺アジ: 15%〜18%(醤油が弾かれるレベル)
通常、10%を超えれば「トロアジ」と呼ばれますが、南紀の個体はそれを遥かに上回ります。
包丁を入れた瞬間に刃が脂で白くなり、手がベタベタになる。
これが「南紀クオリティ」です。
2. なぜ南紀だけ?「動かない」デブアジの秘密
なぜ、南紀のアジだけがこれほど太るのでしょうか?理由は**「黒潮」と「地形」**にあります。
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豊富な餌(プランクトン): 黒潮が直接あたる南紀は餌が常に豊富。
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居付き型(ヒラアジ): 餌を探して長距離を泳ぎ回る必要がないため、筋肉質にならず、食べたエネルギーがすべて「脂」として蓄積されます。
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深い水深: 南紀のドン深な地形は、運動量を抑えつつ安全に身を潜めるのに最適。
つまり、「最高のレストラン(餌場)に住み着いて、運動不足になったアジ」。
これが美味くないわけがありません。
3. 食味レビュー:刺し身・タタキは「白身」の風格
釣り上げた直後の寒尺アジを捌くと、身の色が違います。
赤身ではなく、脂がサシのように入って**「白っぽいピンク色」**をしています。
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刺身: 口に入れた瞬間、体温で脂が溶け出し、濃厚な甘みが広がります。青魚特有の臭みは皆無。
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アジフライ: 加熱すると脂がジュワッと溢れ出し、「飲み物」と錯覚するほどのフワフワ食感に。
4. 釣り人への朗報:この「高級食材」が堤防から釣れる
通常、これほどのアジは船釣りで沖に出ないと出会えません。
しかし、前回の記事でも触れた通り、南紀なら**「堤防からの遠投サビキ」**でこのクラスが狙えます。
スーパーや鮮魚店では1匹数千円の値がつくこともある幻の魚。
それを自分の手で釣り、最高の鮮度で食べる。これぞ釣り人の特権です。
まとめ
南紀の「寒尺アジ」は、単に大きいだけではありません。
脂質15%超えという、全国屈指のポテンシャルを秘めた「泳ぐトロ」です。
寒さの厳しい冬こそが、この脂がMAXになるベストシーズン。
防寒対策を万全にして、南紀の堤防へ「美味しい脂」を釣りに行きませんか?

