魚の養殖で耳にする種苗とは?

最初に
魚の養殖に関するニュースや業界情報でよく耳にする言葉。
それが「種苗(しゅびょう)」です。
専門用語のため一般には分かりづらいですが、養殖業において非常に重要な役割を持ちます。
本記事では、**種苗とは何か?なぜ必要なのか?どこで作られているのか?**を分かりやすく解説します。
釣り人や魚好きにも役立つように、専門用語は噛み砕いてご説明します。

種苗(しゅびょう)とは?
・魚の養殖に用いられる「若い魚」や「稚魚」のこと。
・苗(なえ)という漢字の通り、植物に例えると「苗木」のような存在。
・養殖場に放流され、育成・肥育されて商品サイズにされる。
・多くの場合、サイズは数センチ〜10cm程度の幼魚を指す。

種苗が必要な理由
・自然界だけでは生産量が安定しないため、養殖用に稚魚を確保する必要がある。
・養殖業者が自ら繁殖するケースもあるが、専門機関で生産された種苗を購入するのが主流。
・乱獲防止や資源保護の観点からも、天然親魚から採卵し、人工的に育成する方式が増えている。

どの段階の魚が種苗なのか?
・孵化したばかりの『仔魚(しぎょ)』
・少し成長した『稚魚(ちぎょ)』
・さらに丈夫になった『幼魚』
この段階で養殖場へ渡される。
業界では主に「稚魚〜幼魚」の段階を種苗と呼ぶ場合が多い。

種苗生産の方法
・親魚から採卵
・孵化
・育成水槽で管理
・人工飼料または生餌で成長させる
・一定サイズまで育て養殖業者へ出荷
人工孵化〜育成には高い技術が必要で、専門の種苗生産施設(種苗センター)が存在する。

主な種苗供給対象の魚種
・マダイ
・ブリ
・カンパチ
・ヒラメ
・トラフグ
・養殖用クロマグロ
・ウナギ(※完全養殖はまだ難しい)
他にも地方によって旬の高級魚の種苗開発が進められている。

種苗価格の相場
・魚種やサイズで変動が大きい
・マダイ:1尾100〜300円
・ブリ/カンパチ:200〜500円
・マグロ:1尾数千円〜場合によっては1万円以上
・トラフグ:300〜800円
養殖経営の収益は、種苗コストに大きく左右される。

養殖と天然魚の違いにも影響する
・養殖魚は種苗段階で選別された健康な個体のみが使用される。
・成長スピードが早い個体を選ぶ「選抜育種」も実施。
・その結果、大型化しやすく脂乗りが良い傾向がある。
・一方、天然魚は環境により味のばらつきが大きい。

種苗不足が問題になっている
・近年、親魚確保が難しくなっている。
・地球温暖化による水温変化
・天然産卵場の減少
・業者間での需要増加
定置網や採卵漁獲量が減り、種苗価格の高騰や供給不足が懸念されている。

まとめ
種苗とは、養殖に使用される稚魚や幼魚のこと。
植物でいう苗木のような存在であり、養殖業の出発点です。
現在では多くが人工的に生産され、品質の安定や資源保護にも貢献しています。
種苗の技術発達により、養殖魚の味や脂乗りが向上し、食材としての価値も年々高まっています。
魚食文化を支える影の立役者が「種苗」なのです。

要約
・種苗=養殖用の稚魚や幼魚
・人工孵化〜育成を経て養殖業者へ渡される
・魚の品質や養殖収益に大きく関係
・資源保護・天然枯渇対策としても重要
・種苗技術が進化すれば、より美味しい養殖魚へ繋がる

FAQ
Q. 種苗は天然の稚魚ですか?
A. 多くは人工的に孵化・育成されたものです。天然由来もありますが減少傾向です。

Q. 種苗の魚と釣りで釣れる魚は違いますか?
A. 基本的には同種ですが、養殖用は選別された成長性の高い魚です。

Q. 種苗から大きくなるまでどれくらい?
A. マダイやカンパチの場合は約1〜2年で出荷サイズになります。

 

タイトルとURLをコピーしました