海水氷は、魚を守る「魔法の氷」～釣り人の間で大ブレイク中！～

海水氷は、魚を守る「魔法の氷」

海水氷は、名前の通り「海の水をそのまま凍らせた氷」です。
真水を使わず、海水中の塩分をそのまま閉じ込めています。

海水の塩分濃度は約3.5％。
この塩が、氷の“凍る温度”を下げる働きを持っています。
つまり、真水氷（0℃）に比べて、海水氷は**－2℃前後**で安定するのです。

このわずかな温度差が、魚の鮮度を劇的に変えます。

魚は海水環境に生きています。
真水で冷やすと、外部と内部の浸透圧差によって細胞膜が破れ、ドリップ（旨味成分）が流れ出してしまいます。

しかし海水氷なら、魚の体液とほぼ同じ塩分濃度。
細胞膜が守られ、身が締まっても水分を逃がさない。
結果として、「しっとり」「ぷりぷり」した食感が保たれるのです。

海水は塩分を含むため、凍っていてもわずかに柔らかく、魚に密着しやすい。
そのため、真水氷よりも冷却効率が高く、魚の表面温度をすばやく下げられます。

これは、釣り上げた直後の体温が高い魚（特に青物やアオリイカ）にとって非常に重要。
温度を一気に下げることで、細菌の繁殖を抑え、鮮度を長持ちさせます。

真水氷が溶けると、バケツの中はただの水になります。
この状態で魚を浸すと、魚の表面がふやけ、色ツヤが失われていきます。

一方、海水氷は溶けても“海水”。
浸しても魚の組織を壊さず、自然の状態で保存できます。
だから、時間が経っても見た目がきれいなまま。

釣り上げたアオリイカを真水氷で冷やすと、
すぐに白く濁ったり、身が硬くなったりします。

これは浸透圧ショックが原因です。
アオリイカは特にデリケートな生物で、塩分濃度の変化に非常に敏感。

そのため、海水氷で冷やすのがベスト。
透明感のある身・甘味・柔らかさをそのままキープできます。

魚も同じで、アジ・サバ・ブリ・カンパチなどの海水魚は、海水氷による冷却で最も美味しさを保てます。

釣り上げた魚を、すぐに海水氷入りのクーラーに入れるだけ。
たったこれだけで、鮮度の落ち方が驚くほど違います。

特に夏場の高温時や、釣果が多い日には効果絶大。
氷が溶けても海水状態を維持するため、1日中安定した冷却環境を保ちます。

海水氷は、単なる氷ではなく「魚の命を守る氷」。
真水氷とのわずかな違いが、味・色・食感を大きく変えます。

アオリイカや海水魚を最高の状態で持ち帰りたいなら、
迷わず海水氷を選びましょう。

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