アジやカンパチに見られる「体高の違い」と味の関係|体高が高い魚は脂がのって美味しい?

スーパーや釣り場で、同じ「アジ」や「カンパチ」でも、体が丸みを帯びて太っているものと、

細長く締まった形のものがいることに気づいたことはありませんか。

実はこの「体高(たいこう)」の差には、生態や生活環境が大きく関係しています。

この記事では、

・なぜ同じ魚種で体高差が生じるのか
・体高が高い魚は美味しいのか
・他に体高差が出やすい魚種

について、釣り人にも魚好きにも役立つ視点で詳しく解説します。

体高とは?魚の「高さ」を表す指標

体高とは、魚を横から見たときの「背から腹までの高さ」です。

人間でいえば「胸の厚み・体の丸み」にあたります。

同じ体長でも、体高が高い魚はずんぐりした印象で、体高が低い魚はスリムで流線形をしています。

この形の違いは、単なる個体差ではなく「どこでどう生きているか」という生活環境の差から生まれるのです。


回遊型と居着き型による体高の違い

多くの魚で体高差が生じる主な理由は、「回遊型」と「居着き型」の違いです。

● 回遊型(体高が低い)

・常に海を広範囲に泳ぎ回る
・筋肉質で運動量が多い
・脂肪は少なく、引き締まった身質

代表例:マアジ(クロアジタイプ)・ブリ・サバ・カツオなど

● 居着き型(体高が高い)

・特定の岩場や湾内に長く留まる
・あまり動かず、餌が豊富な環境で生活
・脂肪が多く、身がふっくらしている

代表例:マアジ(キアジタイプ)・カンパチ(湾内育ち)・メバル・クロダイなど

このように、泳ぎの多い魚ほど体が細く、

じっとして餌をしっかり食べる魚ほど体が丸くなる傾向があります。


体高が高い魚の方が美味しいの?

一般的に、「体高が高い=脂がのって美味しい」と言われます。

これは、運動量が少ない分、体内にエネルギー(脂肪)をため込みやすいため。
実際に、漁師や市場でも「丸いアジ=キアジ」として高値で取引されます。

ただし、全ての魚に当てはまるわけではありません。

● 体高が高い魚の味の特徴

・脂が多く、口当たりがなめらか
・刺身や塩焼きに向く
・時間が経つと脂焼けしやすい

● 体高が低い魚の味の特徴

・筋肉質で身が締まっている
・煮付けやフライに合う
・脂が少なく淡泊な味わい

釣り人の間では「丸いアジは刺身、細いアジはフライ向き」とよく言われます。

まさに体高による味の違いが、料理法の違いに直結しているのです。


カンパチにもある「体高差」

カンパチにも、沖合を回遊するスマートな個体と、湾内に居着く丸い個体が存在します。

・沖合型:スリムで筋肉質、歯ごたえがある
・湾内型:体高が高く脂がのる、甘みが強い

釣り場によっても味が大きく異なり、
和歌山では「湾内で釣れるカンパチは養殖級の脂のり」と言われることも。


他にも体高差が出る魚たち

体高差が生じる魚は意外と多く、観察すれば釣り人でも見分けられます。

魚種 体高が高いタイプ 体高が低いタイプ 備考
マアジ 居着き型(キアジ) 回遊型(クロアジ) キアジは脂のり抜群
カンパチ 湾内型 沖合型 湾内型はふっくら
メバル 港内個体 外海個体 港内は丸く太い
クロダイ 河口・湾内個体 沖磯個体 湾内は脂のり良し
アイゴ 磯の隙間型 回遊型 体形で味が変わる
シマアジ 養殖個体 天然個体 養殖は体高が高く脂質多い

このように、魚の「体の形」から生息環境や味を読み取ることができます。


釣り人の豆知識:体高で選ぶ「狙う魚」

釣りで狙う場合も、体高を意識すると釣果アップにつながります。

・潮通しの良い沖磯 → スリムな回遊型(アスリートタイプ)
・湾奥や漁港 → 丸い居着き型(グルメタイプ)

体高を見れば、その魚がどんな環境で生きてきたかが一目でわかるのです。


要約

体高の違いは、魚の「生き方」の違い。
泳ぎ回るか、留まるかによって体形も味も変わります。

体高が高い魚=脂のりが良く、まろやかでコクのある味。
体高が低い魚=引き締まった身で、噛みごたえのある淡泊な味。

同じ魚種でも体形で味が変わる――
これは、魚を選ぶ上での「隠れたヒント」なのです。


FAQ(よくある質問)

Q1. 同じ魚種でも育つ場所で味が変わるの?
A1. はい。潮流・水温・餌の種類で筋肉や脂肪のつき方が大きく異なります。

Q2. 丸い魚=必ず美味しいの?
A2. 一般的には脂がのって美味しいですが、調理法や保存方法によっては脂焼けすることもあります。

Q3. 養殖魚は体高が高いのはなぜ?
A3. 運動量が少なく、餌が安定供給されるため自然と太りやすくなるからです。

 

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