【アオリイカは1ヶ月で4倍!?】一潮で大きくなるは本当か?
驚異の急成長の謎を徹底解剖
「この前の潮ではコロッケサイズだったのに、もうトンカツサイズになってる!」
秋のエギングシーズン、釣り人なら誰もがアオリイカの爆発的な成長スピードに驚いた経験があるはずです。
古くから言われる**「アオリイカは一潮ごとに大きくなる」**という言葉。
これは単なる言い伝えなのでしょうか?
それとも科学的な真実なのでしょうか?
この記事では、そんなアオリイカの驚異的な成長の謎を、
「なぜ急成長するのか?」
「500g, 1kgになるまでの日数は?」
「毎日どれだけ食べているのか?」という3つの疑問を軸に、科学的根拠と釣り人の視点を
交えて徹底的に解説します。
結論:「一潮で大きくなる」は、ほぼ真実!
まず結論から。
アオリイカが約15日間隔で訪れる大潮・中潮のサイクル(一潮)で目に見えて大きくなる、
というのは**釣り人の実感としても、科学的にも「ほぼ真実」**と言えます。
もちろん、毎日定規で測るように成長するわけではありませんが、その成長スピードは他の生物
とは比較にならないほど速いのです。
その秘密は、彼らの「短命」という宿命に隠されています。
なぜアオリイカはこれほど急成長するのか?
アオリイカの成長スピードが異常なほど速い理由は、彼らの約1年という短い寿命にあります。
1年で生まれ、成長し、子孫を残して死んでいく。
この凝縮されたライフサイクルを全うするために、彼らは「成長」と「捕食」に全てを捧げるように進化しました。
1. 驚異の代謝率と食欲
アオリイカは、食べたものを驚異的な速さでエネルギーと体組織に変える高い代謝能力を持っています。
彼らの頭の中は常に「捕食」の二文字でいっぱい。
動くものを見れば、それが自分より大きなエサであっても果敢に襲いかかります。
この常軌を逸した食欲こそが、急成長の最大のエンジンです。
2. 食べた分だけ大きくなる「外套膜(がいとうまく)」
イカの胴体部分である外套膜は、非常に柔軟な筋肉の袋です。
硬い骨格を持たないため、食べた栄養をダイレクトに体のサイズアップに繋げることができます。
まさに、食べた分だけ風船のように大きくなれる、理想的な肉体を持っているのです。
新子から500g、1kgになるまでの日数は?【成長カレンダー】
では、具体的にどれくらいの期間で大きくなるのでしょうか。
孵化時期や水温、エサの量によって地域差はありますが、一般的な成長の目安は以下の通りです。
- 孵化(5月〜8月頃): 体長わずか数ミリ。
- 新子(8月〜9月): 約50g〜100g
- 孵化から約2〜3ヶ月。エギングシーズンの幕開け。好奇心旺盛で数釣りが楽しめる時期。
- 500gサイズ(10月〜11月):
- 孵化から約4〜5ヶ月。コロッケサイズからトンカツサイズへ。この頃の成長は特に著しく、1ヶ月で体重が3〜4倍になることも珍しくありません。一潮ごとのサイズアップを最も実感できる時期です。
- 1000g(1kg)サイズ(12月〜3月):
- 孵化から約6〜8ヶ月。キロアップが登場し、ベテランエギンガーが色めき立つシーズン。個体数は減りますが、ジェット噴射の引きは強烈です。
- 2kg〜3kgオーバー(4月〜6月):
- 孵化から約10ヶ月〜1年。産卵を意識した「親イカ」。自己記録更新を狙うモンスターシーズンです。
AIワンポイント 500gから1kgになるまでには約2〜3ヶ月かかりますが、
これは水温が低下し、成長スピードがやや緩やかになるためです。
最も効率よく体重を増やすのは、水温が高くエサが豊富な秋(10月〜11月)と言えるでしょう。
1日にどれくらい食べる?アオリイカの驚くべき大食漢ぶり
アオリイカの急成長を支える食欲は、まさに異次元レベルです。
研究によれば、アオリイカは1日に体重の10%〜30%もの量のエサを食べるとされています。
- 100gのアオリイカ: 1日に10g〜30gのエサを捕食。
- 5cm前後の小アジなら2〜5匹に相当。
- 500gのアオリイカ: 1日に50g〜150gのエサを捕食。
- 10cm前後のアジやイワシを数匹〜十数匹ぺろりと平らげます。
- 1kgのアオリイカ: 1日に100g〜300gのエサを捕食。
- 20cm近いアジにも襲いかかります。
彼らは常に空腹で、常にエサを探しています。
エギングでアオリイカが釣れるのは、
この「常時捕食モード」のスイッチをエギで入れてやることができるからです。
まとめ:儚くも猛々しいイカの王者の生涯
- 急成長の理由: 約1年という短い寿命を全うするため、代謝が非常に活発で、常に捕食し続ける。
- 成長スピード: 秋には1ヶ月で体重が4倍になることも。孵化から約4〜5ヶ月で500g、約6〜8ヶ月で1kgに達する。
- 捕食量: 1日に体重の1〜3割という驚異的な量を食べる大食漢。
「一潮ごとに大きくなる」という言葉は、アオリイカの短くも力強い生き様を的確に表した、
先人たちの見事な観察眼の賜物と言えるでしょう。
この驚異的な成長スピードを頭に入れてフィールドに立てば、なぜあの日釣れなかった場所で
今日釣れるのか、なぜエギのサイズを変える必要があるのか、といった戦略がより明確になるはずです。


