「釣った魚を美味しく持ち帰るには、たっぷりの氷が必要!」というのは、
もはや釣り人の常識ですよね。
確かに、氷が少なくて魚がぬるくなってしまうのが一番最悪のシナリオです。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。 「じゃあ、氷は多ければ多いほど良いのか?」
実は、ただ闇雲に氷を詰め込みすぎるのも、かえって魚の品質を損なう原因になりかねないのです。
この記事では、多すぎる氷が引き起こすデメリットと、本当の意味での「最適な状態」について、
分かりやすく解説していきます。
◆ 結論:氷は「多すぎる」とデメリットがある
先に結論からお伝えすると、氷は多すぎてもデメリットがあります。
鮮度を保つためには、ただ量を増やせば良いというわけではなく、「質」と「状態」が重要になります。
多すぎる氷が引き起こす主なデメリットは以下の2つです。
- 魚の身を傷つける「物理的な圧迫」
- 身をパサパサにする「氷焼け」
それぞれ詳しく見ていきましょう。
◆ デメリット1:魚への「物理的な圧迫」
クーラーボックスに大量の氷を詰め込むと、当然ながら内部のスペースは狭くなります。
そこに魚を無理やり押し込むと、どうなるでしょうか?
- 魚同士が押しつぶされる
- 氷の角が魚の身に食い込む
- 内臓が圧迫されて体液が漏れ出す
特に、アジやイワシのような身の柔らかい魚は、重さによる圧迫に非常に弱いです。
せっかく丁寧に扱ってきた魚が、クーラーボックスの中で潰れてしまっては元も子もありません。
これでは、刺身で食べられるものも、加熱用にせざるを得なくなってしまいます。
対策:魚を入れるスペースを考慮し、氷を詰め込みすぎないようにしましょう。
魚と魚の間にも氷が均等に行き渡るくらいの余裕を持つのが理想です。
◆ デメリット2:身が変質する「氷焼け」
「氷焼け」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、魚が氷に長時間直接触れ続けることで、その部分が冷凍状態になり、水分が抜けて身が変色したりパサパサになったりする現象です。
スーパーで売られている冷凍マグロのサクが、トレーに接している部分だけ白っぽくなっているのを見たことがあるかもしれません。
あれが氷焼けの状態です。
氷が多すぎると、魚は必然的に氷と密着しやすくなります。
特に、クーラーボックスの水を抜いた状態で長時間放置すると、氷焼けのリスクは一気に高まります。
対策:
- 魚をビニール袋に入れる
- 湿らせた新聞紙やパーチメント紙で魚を包む
- クーラーボックスの底にスノコを敷き、溶けた水と氷から魚を少し浮かせる
これらの工夫で、魚が氷に直接触れるのを防ぎ、氷焼けを効果的に予防できます。
◆ 最適な状態とは?「潮氷(しおごおり)」のススメ
では、魚を圧迫せず、氷焼けも起こさず、かつ効率的に冷やすにはどうすれば良いのでしょうか。
その答えが、以前の記事でも紹介した「潮氷(しおごおり)」です。
潮氷とは? クーラーボックスに入れた氷に、現地の海水を加えたもの。
潮氷にすることで、以下のメリットが生まれます。
- 均一な冷却:冷たい海水が魚全体を包み込むため、ムラなく急速に冷やせます。
- 圧迫の防止:液体がクッションの役割を果たし、魚への物理的なダメージを軽減します。
- 鮮度の維持:海水を使うことで浸透圧の差が生まれず、魚の旨味が逃げ出しにくいです。
まさに、多すぎる氷のデメリットを解消し、メリットだけを享受できる理想的な状態と言えるでしょう。
◆ まとめ:目指すは「最大量」ではなく「最適量」
今回の内容をまとめます。
- 氷が多すぎると、魚を圧迫して傷つけたり、氷焼けを起こしたりするデメリットがある。
- ただ量を増やすのではなく、魚を入れるスペースを確保することが重要。
- 氷焼けを防ぐには、魚を氷に直接触れさせない工夫をする。
- 「潮氷」を活用するのが、最も効率的で魚に優しい冷却方法である。
氷は、釣った魚の鮮度を守るための最高のパートナーです。
しかし、その使い方を間違えると、かえって品質を落とすこともあります。
「最大量」の氷を目指すのではなく、あなたのクーラーボックスと釣果に合わせた「最適量」と
「最適な状態」を見つけることが、最高の味への近道です。


