2025年秋今シーズン、南紀地方はメッキが極端に少ない。考えられる要因は?

2025年の秋、南紀地方の海で竿を出している多くの釣り人が、例年とは違う海の静けさに首を傾げているかもしれません。

「毎年この時期になると楽しませてくれるメッキが、今年は極端に少ない…」。

そのように感じているのは、あなただけではないようです。

秋の風物詩ともいえるメッキの不漁。

これには、いくつかの海洋環境の変化が複雑に絡み合っていると考えられます。

考えられる主な要因を3つの視点から解説します。

1. 黒潮大蛇行「終息期」の複雑な海況

最も大きな要因として考えられるのが、日本の海洋環境に絶大な影響を与える黒潮の流路変化です。

  • メッキは黒潮に乗ってやってくる メッキは、ロウニンアジやギンガメアジといった南方系の魚の幼魚です。夏の暖かい黒潮に乗って南の海から運ばれてきますが、冬の低水温を乗り越えられずに死んでしまうため「死滅回遊魚」とも呼ばれます。つまり、南紀地方にメッキがやってくるかどうかは、黒潮の流れ方に大きく左右されるのです。
  • 2025年春、「黒潮大蛇行」が終息 2017年から続いていた大規模な「黒潮大蛇行」が、2025年春に終息したとみられています。大蛇行中は、黒潮が紀伊半島から大きく離れて流れるため、沿岸の水温が低下し、釣れる魚種や回遊パターンに大きな影響を与えていました。
  • 「終息の余波」が影響か? 「大蛇行が終わったなら、魚が戻ってくるのでは?」と思われがちですが、事はそう単純ではありません。大蛇行が終わった直後は、海流が安定するまでの過渡期にあたります。
    • 不安定な流れ: 大蛇行からちぎれた小さな渦が沿岸に影響を与えたり、潮流が乱れたりすることがあります。
    • 回遊ルートのズレ: このような不安定な流れによって、メッキの仔稚魚を乗せた潮の流れが南紀の岸近くを通過せず、沖合を素通りしてしまった可能性が考えられます。

大蛇行の終息は長い目で見れば好材料ですが、その直後の今シーズンは、海がまだ安定を

取り戻す途上にあり、例年とは違う結果になっている可能性が最も高いと言えるでしょう。

2. ベイトフィッシュ(餌となる小魚)の接岸状況

メッキは獰猛なフィッシュイーターです。

彼らが岸近くに寄ってくるかどうかは、餌となるイワシの稚魚などのベイトフィッシュがいるかどうかに大きく依存します。

黒潮の流路や沿岸の水温は、プランクトンの発生に影響し、それがベイトフィッシュの発生や回遊に直結します。

前述の黒潮の不安定な状況により、今年の秋は南紀沿岸へのベイトフィッシュの寄り付きが悪いのかもしれません。

餌がなければ、メッキの群れも岸辺に長くとどまる理由がないのです。

3. 海水温の上昇による回遊パターンの変化

長期的な視点として、近年の海水温の上昇も無視できません。

  • 来遊時期の遅れ: 秋になっても海水温が高いままだと、メッキの南下が遅れ、まだ沖合を回遊している可能性も考えられます。
  • 回遊ルートの北上: 南方系の魚であるメッキにとって、日本の海が全体的に快適な水温になりつつあります。これにより、これまで南紀地方で留まっていた群れが、さらに北の海域まで足を延ばしている可能性も否定できません。

まとめ

2025年秋の南紀地方におけるメッキの不漁は、単一の原因ではなく、

  • 黒潮大蛇行の終息という大きな節目に伴う、一時的で複雑な海況
  • それに伴うベイトフィッシュの接岸状況の変化
  • 近年の海水温上昇による、長期的な回遊パターンの変化

これらの要因が複合的に絡み合った結果と考えられます。

自然が相手である以上、毎年同じ状況とは限りません。

今年の不漁は、海が大きく変わる過渡期にある証拠とも言えます。

来シーズン以降、安定した海況が戻り、再び元気なメッキの群れが南紀の海を賑わせてくれることに期待しましょう。

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