最初に
アオリイカ狙いでエギを投げていると、「なんか重い…でも引かない」
そんな感触のまま上がってくるイカ――それが**モンゴウイカ(別名:カミナリイカ・スミイカ)**です。
実は味が非常に良く、刺身・天ぷら・煮付けのどれでも絶品。
しかし、釣り人の間ではなぜか**“外道”扱い**されがちです。
今回は、その理由を釣り人の現場目線で徹底解説します。
① アオリイカ狙いの釣り人にとって「目的外」だから
モンゴウイカはアオリイカと同じポイントに生息していますが、
釣り人のターゲットはあくまでアオリイカ。
エギングやヤエンでは「アオリイカ=本命」「モンゴウイカ=外道」として認識されがちです。
その理由は単純で、
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アオリイカは引きが強くゲーム性が高い
-
サイズも見た目も迫力がある
-
ブランド価値が高い(アオリイカ=高級イカ)
これに対しモンゴウイカは、
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引きが鈍く、重いだけ
- 動きが遅く、釣趣に欠ける
という点から、“釣る楽しさ”という面でどうしても劣って見えてしまうのです。
② 見た目が地味で、アオリイカのような華やかさがない
モンゴウイカは胴体がずんぐりしており、アオリイカのような透明感や優雅な姿ではありません。
また、体表に白い斑点模様があり、釣り上げたときに墨を多く吐くため「汚れるイカ」
という印象を持たれがち。
釣り人の心理として、
「アオリイカ=高級・スタイリッシュ」
「モンゴウイカ=ドスンと重たい地味なイカ」
というイメージの差が外道扱いを生んでいます。
③ 釣れたときの手応えが鈍い
エギングでアオリイカがヒットしたときは、「グイーン」と竿を引き込む明確な抵抗があります。
一方、モンゴウイカはというと――
「根掛かり?…いや、動いた?」
というくらいのズシッとした重みだけ。
引き味がほとんどなく、初心者には釣れたことすら気づかないほど。
釣り人にとって“ゲーム性の薄い相手”であるため、「外道」扱いになりやすいのです。
④ 食べ方を知らない人が多い
モンゴウイカは調理の仕方次第でアオリイカにも劣らない美味しさを誇りますが、
意外とそのポテンシャルを知らない人が多いのが現実。
特に釣り初心者や観光客は、「ずんぐりしてる」「身が厚すぎる」
「下処理が面倒」という理由でリリースしてしまうケースも。
実際には、
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刺身にすると濃厚な甘味
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天ぷらはアオリよりも歯切れが良く、サクサク軽い
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炙りや煮付けでも旨味が強く、プロの料理人にも人気
つまり、「知られていないだけで、本当はかなり美味しいイカ」なのです。
⑤ 墨が多く、クーラーや仕掛けが汚れる
モンゴウイカは墨の量が非常に多いのが特徴。
釣り上げた瞬間、クーラーの中や足元を真っ黒にしてしまうことも。
アオリイカよりも粘りが強く、釣り人の服やロッドに飛び散ることが多いため、
敬遠される理由の一つとなっています。
「せっかく釣れたのに後片付けが大変」
これが“嫌われる美味しいイカ”と呼ばれる所以です。
⑥ 関西では「春イカ=アオリ」「冬イカ=モンゴウ」という住み分けも
南紀では、春から初夏にかけてアオリイカが産卵のため接岸しますが、
冬場になると水温が下がり、モンゴウイカの方が活発に動き始めます。
そのため、季節的にも
「春=アオリイカの季節」
「冬=モンゴウイカの季節」
という区別が浸透しており、「狙う対象が違う=外道」という認識が残っているとも言えます。
⑦ 実は“外道”どころか高級寿司ネタ
一方で、築地や大阪の寿司店では**「カミナリイカ」**の名で扱われ、
甘味と歯ごたえの両立した高級ネタとして人気。
特に冬〜春にかけては身が厚く、脂(グリコーゲン)が乗るため、
アオリイカよりも濃厚な旨味を感じることもあります。
つまり、外道ではなく「知る人ぞ知る高級イカ」。
釣り人の中でも、食通はむしろモンゴウイカを喜んで持ち帰ります。
まとめ
モンゴウイカが外道扱いされる理由は、
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アオリイカが圧倒的に人気
-
引きが弱く、地味な見た目
-
墨が多くて扱いづらい
-
食べ方が知られていない
という“釣り人の都合”が大半。
しかし、実際には
「味・歯ごたえ・旨味すべてが一級品」
という隠れた高級イカです。
南紀では冬〜春にかけて釣れるため、アオリイカが少ない時期に狙ってみると、
驚くほどの美味しさに出会えるはずです。
要約
モンゴウイカは引きが弱く見た目が地味なため外道扱いされるが、実は味は絶品。
アオリイカよりも濃厚で、寿司ネタとして高級品。
冬〜春に釣れる“知られざる主役”であり、釣り人の評価が変わりつつある。


