エギングで釣り上げた、透き通るように美しいアオリイカ。
持ち帰って食べる刺身は、釣り人の特権であり、最高の楽しみの一つですよね。
しかし、そのアオリイカ、もっと美味しくなる可能性を秘めているとしたら…?
実は、釣った後の「冷やし方」を少し変えるだけで、その味は劇的に向上します。
ある研究データによると、普通の氷(真水)で冷やすのに比べ、海水氷で冷却したアオリイカは
食味保持率が1.9倍も高いという驚きの結果が出ています。 。
この記事では、その科学的な根拠と、誰でも簡単に実践できる「海水氷冷却」の具体的な方法を徹底解説。
あなたのエギングライフが、今日から変わるかもしれません。
なぜ普通の氷(真水)ではダメなのか?旨味流出の犯人は「浸透圧」
釣ったイカを、コンビニの氷や凍らせたペットボトルを入れたクーラーボックスに直接入れていませんか?
実はそれが、イカの旨味を損なう大きな原因になっています。
キーワードは**「浸透圧(しんとうあつ)」**です。
- 真水に浸けると…: イカの体液は海水とほぼ同じ塩分濃度です。これを塩分濃度の低い真水(溶けた氷水)に浸けると、細胞の内と外で濃度差が生まれます。その結果、水分が細胞内に侵入して身を水っぽくさせ、逆に旨味成分であるアミノ酸などが細胞の外へ逃げ出してしまうのです。
- 海水氷なら…: 釣り場の海水を使うことで、イカの体液との塩分濃度差がほとんどなくなります。これにより浸透圧の影響を受けにくく、旨味成分の流出を最小限に抑え、プリプリとした食感を保ったまま冷却できるのです。
ポイント 真水はイカの旨味を奪い、水っぽい食感の原因になります。
海水を使うことで、イカ本来の味と食感をキープできます。
科学が証明!食味保持率「1.9倍」の秘密
「食味保持率が1.9倍」という数値は、魚介類の鮮度を示す指標である**「K値」**の
上昇率を比較した研究に基づいています。
K値とは?
生物が死ぬと、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が分解されていきます。
この分解が進むほど鮮度が落ちた状態となり、この分解度合いを数値化したものがK値です。
数値が低いほど新鮮で、高くなるほど鮮度が落ちていることを示します。
海水氷で適切に冷却することで、このK値の上昇を劇的に遅らせることができます。
つまり、獲れたてに近い状態をより長く維持できるため、旨味や食感の保持率に1.9倍もの
差が生まれるというわけです。
【完全ガイド】アオリイカのための海水氷冷却・実践編
それでは、具体的な手順を見ていきましょう。
ポイントは「締める」「袋に入れる」「海水氷で冷やす」の3ステップです。
1. まずはキッチリ締める
釣れたアオリイカは、まず急所を突いて締めます。
締めることで身の透明感を保ち、鮮度劣化を遅らせる効果があります。
- 眉間を締める: 目の間にある硬い部分を、ピックやナイフの先端で突き刺します。
- 胴体を締める: 胴体(エンペラの下あたり)にも神経が通っているため、同様に突き刺します。
2. 海水氷の準備
クーラーボックスに海水氷を作ります。
作り方は非常に簡単です。
- クーラーボックスに凍らせたペットボトルや板氷を入れます。
- 釣り場のきれいな海水を、氷がひたひたになるまで注ぎます。
- (より効果を高めるなら)塩をひとつかみ加えると、0℃以下でも凍らない「スラッシュアイス」になり、急冷効果がアップします。
3.【最重要】イカは袋に入れてから冷却!
ここが最も重要なポイントです。
締めたアオリイカを、直接海水氷には入れません。
- 理由1:墨汚れの防止: イカが最後に墨を吐き、他のイカやクーラー内が汚れるのを防ぎます。
- 理由2:完璧な浸透圧対策: 袋に入れることで、イカの身が真水(溶けた氷)や濃すぎる塩水に直接触れるのを完全に防ぎます。
- 理由3:氷焼け防止: イカの身が直接氷に触れていると、その部分が白く変色し、食感が損なわれる「氷焼け」が起こります。これを防ぐことができます。
スーパーの袋でも構いませんが、厚手のビニール袋やジップロックなど、破れにくい袋を数枚用意しておくと良いでしょう。
袋に入れたら、空気をしっかり抜いて口を縛り、海水氷の中に沈めて持ち帰ります。
まとめ:最高の状態で持ち帰り、最高の味を食す
アオリイカの味を最大限に引き出すための方法をもう一度おさらいします。

