最初に
銀色に輝く体と鋭い歯を持つ「タチウオ(太刀魚)」は、秋の堤防釣りでも人気のターゲットです。
夜になると岸近くに回遊してくることで知られますが、その生態にはまだ多くの謎が残されています。
この記事では、
・タチウオの群れの大きさ
・回遊の範囲と速度
・寿命や天敵
を釣り人目線でわかりやすく解説します。
1. タチウオは「群れ」で動く回遊魚
タチウオは回遊性の強い魚で、単独行動はほとんど見られません。
基本的に10〜数百匹単位の群れを作り、エサを求めて移動します。
-
小型(指2〜3本)個体の群れ:100匹以上の大群になることも。
-
大型(指4本以上)個体の群れ:10〜30匹ほどの小規模群で行動。
秋〜冬のシーズンは、夜間にベイト(イワシ・キビナゴ)を追って岸近くまで回遊。
昼間は水深100〜200mの中層〜深層に滞在することが多いです。
2. 回遊スピードは意外と「ゆっくり」
タチウオは見た目が鋭く、泳ぐのも速そうに思われがちですが、実は泳ぐ速度はかなりゆっくりです。
AI推定データでは、通常時の平均速度は時速1〜2km程度。
一見すると遅いですが、これは「獲物を見つけて狙う待機型捕食」のため。
-
通常時:1〜2km/h(漂うようにゆっくり)
-
捕食時の突進速度:10〜15km/hに一時的に上昇
-
群れ全体の移動距離:1日で数km〜十数km
つまり、タチウオは常に速く泳ぐわけではなく、
ベイトの動きに合わせて“潮に乗るように移動”するのが特徴です。
3. 回遊ルートの特徴
タチウオの群れは潮の流れに敏感で、黒潮や湾内の潮流に沿って移動します。
よく見られるルートパターン
-
外洋系ルート:沖合で成長 → 秋に沿岸へ
-
湾内回遊型:浅場のベイトを追って、湾奥まで侵入
-
日中潜行型:昼は深場(100m以上)、夜は表層(5〜10m)
秋の夜に防波堤で釣れるのは、この「夜間浮上回遊」によるもの。
特に潮止まり前後や、満潮から下げ始めのタイミングに活性が上がります。
4. タチウオの寿命は3〜5年
タチウオの寿命は平均3〜5年。
成長スピードが速く、1年で全長50cm、2年で80〜90cmほどに達します。
-
1年目:幼魚〜若魚(指2本前後)
-
2〜3年目:成魚(指3〜4本)
-
4年目以降:大型(指5本以上)
多くの個体は3〜4年で寿命を迎え、産卵を終えると弱りやすくなります。
そのため、釣れるサイズから年齢を推測することも可能です。
5. タチウオの天敵
タチウオは鋭い歯を持つ肉食魚ですが、自分自身も多くの大型魚に狙われる立場です。
代表的な天敵は以下の通り:
| 天敵 | 特徴・捕食方法 |
|---|---|
| シイラ | 表層でタチウオを襲う。特に幼魚期に多い。 |
| サメ類 | 群れ全体を狙う。回遊ルートで遭遇しやすい。 |
| カツオ・マグロ | 沖合で成魚を追う。速度差で圧倒。 |
| 大型タチウオ | 共食いすることがあり、小型個体を捕食。 |
特に「共食い」が多い魚としても知られ、
釣りの最中に「タチウオの歯形がついたタチウオ」が上がることも珍しくありません。
6. 群れの規模と釣果の関係
群れの密度は釣果に直結します。
ソナー観測によると、群れが横に100m以上続く場合は爆釣パターン。
一方、単発的な反応しかない場合は、
わずか10〜20匹程度の小群れで、すぐ通り過ぎてしまいます。
そのため、タチウオ釣りでは群れの通過タイミング=勝負時間と考えるのが鉄則です。
7. まとめ
タチウオは、見た目に反して「静かに群れで動く回遊魚」。
泳ぐ速度は遅いですが、捕食時は一瞬で襲いかかる俊敏さを持っています。
-
群れの規模:10〜数百匹
-
通常速度:時速1〜2km
-
寿命:3〜5年
-
天敵:シイラ、サメ、カツオ、同種
夜の回遊タイミングを読めれば、釣果は一気に上がります。
潮流・月・風向きの3条件を意識し、群れの通過に合わせて仕掛けを入れるのが釣果アップのコツです。
タチウオは回遊性の強い魚で、群れ単位で行動する。
泳ぐ速度は時速1〜2kmと遅いが、捕食時は瞬間的に高速化。
寿命は3〜5年で、天敵はシイラ・サメ・カツオなど。
秋の夜間、浅場に浮上するタイミングが最大のチャンス。


