魚の生臭さの正体は「トリメチルアミン」。
この成分を抑えるためには、釣った直後の冷却と細菌繁殖の抑制、さらにドリップの発生防止が欠かせません。
ここでは、海水氷がなぜ真水氷よりも優れているのかを科学的に解説し、釣り人がすぐに実践できる方法を紹介します。
トリメチルアミンとは何か
・魚介類に含まれるトリメチルアミンオキシド(TMAO)が分解されて生じる揮発性化合物。
・低温下では安定ですが、温度上昇や細菌活動によってTMAOが還元され、
強い魚臭を放つトリメチルアミン(TMA)に変化します。
・特にボラやチヌ、サバなどの青魚はTMAO含有量が多く、生臭さが目立ちやすい魚種です。
臭いを抑える3つの条件
1. 釣った直後に温度を一気に下げる
・魚体温が下がらないまま放置すると、TMAO分解酵素や細菌の働きが急速に進行。
・釣った瞬間に0℃前後まで冷却することで分解反応を強力に抑えられます。
2. 細菌繁殖を防ぐ
・細菌は10〜37℃で活発に増殖。
・海水氷スラリーで短時間に中心温度を下げれば、増殖の起点を断つことができます。
3. ドリップを出さない
・ドリップ(魚体から出る水分)は細菌の栄養源であり、臭い成分も含みます。
・海水氷は浸透圧が真水より高く、細胞破壊が少ないためドリップ発生が抑えられます。
海水氷が有効な科学的理由
・浸透圧差が小さい:海水氷は魚体とほぼ等張のため、細胞が水膨れせず、体液の流出を防止。
・冷却効率が高い:砕氷+海水のスラリーは魚体全体に密着し、熱を素早く奪う。
・粘液保持:真水では流れやすい体表粘液が残り、雑菌侵入を防ぐバリアとして機能。
実践手順
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釣り上げたらすぐ活締め・血抜きを実施。
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海水氷スラリー(海水+砕氷)を用意し、魚体全体を沈める。
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30分以内に内臓を除去し、再び海水氷に戻す。
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保管中は0〜−1℃を維持し、氷が溶けて塩分が薄まったら追加する。
まとめ
・魚の臭いの主因トリメチルアミンは、温度管理・細菌抑制・ドリップ防止が三本柱。
・海水氷は真水氷に比べ、浸透圧で細胞を守り、冷却速度も速いため臭い抑制効果が高い。
・釣った直後の数分が勝負。海水氷スラリーを準備するだけで、家庭に持ち帰った時の臭いが大きく違います。


