過去1000年間で人類人口は急増した一方、海洋生物(魚類・哺乳類・無脊椎動物など)の総量は減少したと考えられています。
ここでは歴史的推移と科学的データを整理して解説します。

1. 人口の推移:1000年前から現代まで
・西暦1000年頃の世界人口は、推定2.5〜3億人程度。
・産業革命前(1700年代)は約6億人。
・20世紀初頭には16億人を超え、2024年現在は約80億人に到達。
→ 1000年前の約25〜30倍に増加。
この人口増加は、漁業・沿岸開発・排出ガスなど、海への負荷を飛躍的に高めました。
2. 海洋生物量の推移
直接的な1000年間の連続データはありませんが、近代以降の減少率から長期傾向を推測できます。
主要な科学的指標
・商業魚類資源:国連FAOによると、1970年代以降だけで世界の主要漁業資源の約90%が過剰利用または限界状態。
・大型魚類バイオマス:北大西洋のマグロ・カジキなど大型捕食魚は、1950年代比で約80〜90%減少(Myers & Worm, Nature 2003)。
・全海洋生物量:プランクトンから大型哺乳類までを含む「動物バイオマス」は、産業革命前から現在までに20〜50%減少とする推定もある(IPBES, 2019)。
・サンゴ礁:世界のサンゴ礁は19世紀比で約50%が失われた(UNEP 2020)。
これらは数百年単位でのデータですが、人類の大規模漁業が始まる前(1000年前)と比較すると、
海洋生物の総数は確実に減っていると考えるのが妥当です。
3. 減少の主因
・過剰漁獲:19世紀後半から始まった大型捕鯨、20世紀以降の機械化漁業。
・沿岸開発と汚染:都市排水、プラスチック、富栄養化による酸欠海域。
・気候変動:海水温上昇と酸性化がプランクトンやサンゴに影響し、食物連鎖全体に波及。
4. まとめ
・人口は約25〜30倍増
・海洋生物の総量は大幅減少(特に大型魚・サンゴ・哺乳類)
・減少の速度は20世紀以降が最も急激
つまり、1000年前に比べて
**「人は増え、海の生き物は減った」**という傾向は科学的に裏付けられています。
釣り人視点の補足
・沿岸での「昔はもっと魚が多かった」という体感(シフトベースライン症候群)はデータと一致。
・近年の規制(TAC管理・禁漁区・MSC認証)や養殖技術は、減少に歯止めをかける試みとして注目されています。

